対潜戦闘システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/07 15:14 UTC 版)
「ネウストラシムイ級フリゲート」の記事における「対潜戦闘システム」の解説
本級は対潜センサーとして、MGK-345 ブローンザ統合ソナー・システムを装備しており、オックス・ヨーク艦首装備ソナーとオックス・テール可変深度ソナーを備えるが、これは、より大型の1155.1型(ウダロイII級)の搭載システムと同じものである。 本級を含め、ソ連/ロシア海軍の小型対潜艦の最大の特長は、その重厚な対潜火力にある。本級は、短距離の対潜火力として533mm対潜魚雷、中距離の対潜火力としてRBU-6000、長距離の対潜火力としてRPK-6 ヴォドパート (SS-N-16)対潜ミサイルを有し、さらにRPK-6の射程外での対潜戦闘用にKa-27対潜哨戒ヘリコプター1機を搭載している。すなわち、4重にもおよぶ対潜火網を構築していることになり、西側海軍の同級艦に類を見ない強力な対潜戦闘能力を備えているということができる。西側諸国においては、中距離以遠での対潜戦闘には艦載ヘリコプターを使用することが一般的であるが、ロシア海軍が主たる作戦海域とする北極海においては、ヘリコプターの運用が困難な気象・海象状況が稀でないため、このように自艦装備の対潜火力を充実させたと言われている。 本級の特徴のひとつが、RPK-6 ヴォドパート (SS-N-16) 対潜ミサイルの搭載である。これは、弾頭として400mm対潜魚雷を搭載、射程は50kmで、先行する大型/小型対潜艦で使用されてきたRPK-3/4/5 (SS-N-14)と同等の性能を確保しつつ、533mm魚雷発射管からの運用を可能にしたものである。533mm魚雷発射管は、西側のMk 32 短魚雷発射管と同様に、ソ連/ロシア海軍が標準的に水上戦闘艦に搭載する短距離対潜攻撃兵装であり、これによって対潜ミサイルの専用発射機を搭載する必要がなくなり、装備の合理化に成功した。RPK-6対潜ミサイルは、533mm魚雷と合わせて12発まで搭載可能である。なお、本級の搭載する533mm魚雷発射管は固定式6門、アメリカ海軍のノックス級フリゲートにおけるMk 32 mod 9短魚雷発射管と同様の要領で、艦後部ヘリコプター格納庫の両側に3門ずつ装備されているが、当初西側観測筋は、これを対艦ミサイル発射筒と誤認していた。 また、RBU-6000対潜ロケットは、西側では既にほぼ見られなくなったボフォース375mm対潜ロケットと同様のコンセプトに基づく装備であるが、はるかに長射程であり、また、弾頭として無誘導の爆雷を使用することから、特に浅海域での戦闘に有用であり、対魚雷防御にも使用可能とされている。96発のRGB-60対潜ロケットが搭載される。
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対潜戦闘システム
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「ウダロイ級駆逐艦」の記事における「対潜戦闘システム」の解説
本級の最重要装備が、その対潜戦闘システムである。 MGK-355 ポリノム (Polinom) 統合ソナー・システムのうち、艦首装備ソナーMGK-335 プラチナ(ホース・ジョー)は、50kmと第1CZにも及ぶ探知距離を誇り、変温層をも通過できる強力な低周波ソナーであり、アメリカのAN/SQS-53にほぼ匹敵する。また、より長距離の探知には、可変深度ソナー(ホース・テール)を使用する。これによって、本級は、ヘリコプターの支援なしでも、対潜ミサイルの射程外縁において対潜戦闘を展開することが可能になった。また、改良型の11551型大型対潜艦においては、艦首ソナーはズヴェズダに変更されている。 本級を含め、ソ連やロシア海軍の対潜艦の最大の特長は、その重厚な対潜火力にある。本級は、短距離の対潜火力として533mm対潜魚雷、中距離の対潜火力としてRBU-6000対潜ロケット、長距離の対潜火力としてRPK-5ラストルーブ (SS-N-14)対潜ミサイルを有し、さらにRPK-5の射程外での対潜戦闘用にKa-25(のちにKa-27)対潜哨戒ヘリコプター2機を搭載している。すなわち、4重にもおよぶ対潜火網を構築していることになり、西側海軍の同級艦に類を見ない強力な対潜戦闘能力を備えているということができる。西側諸国においては、中距離以遠での対潜戦闘には艦載ヘリコプターを使用することが一般的であるが、ロシア海軍が主たる作戦海域とする北極海においては、ヘリコプターの運用が困難な気象・海象状況が稀でないため、このように自艦装備の対潜火力を充実させたと言われている。 本級が自艦に装備する最大の対潜火力であるRPK-5ラストルーブ (SS-N-14)対潜ミサイルの4連装発射機は、 1134-A および 1134-B型と同様、艦橋構造物の下部両舷に装備されている。ただし、対水上戦能力の不足への対策から、本級の搭載する対潜ミサイルは、先行する対潜艦で搭載されるRPK-3 メチェーリに対水上攻撃能力を付与した改良型であるRPK-5 ラストルーブとなっている。 また、中距離用のRBU-6000対潜ロケット12連装発射機2機、そして短距離用の533mm4連装魚雷発射管2基は、ソ連海軍で一般的な対潜兵装であった。RBU対潜ロケットは、西側では既にほぼ見られなくなったボフォース375mm対潜ロケットと同様のコンセプトに基づく装備であるが、はるかに長射程であり、また、弾頭として無誘導の爆雷を使用することから、特に浅海域での戦闘に有用であり、対魚雷防御にも使用可能とされている。 また、のちに533mm魚雷発射管から運用できるRPK-6 ヴォドパート (SS-N-16)の実用化に伴い、1155.1型では、RPK-5にかえてこれを装備した。このため、533mm対潜魚雷の旋回式4連装発射管は、RPK-6 (SS-N-16) SUM発射機を兼ねた固定式の533mm4連装魚雷発射管に変更され、またRPK-5発射機は撤去されている。
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