対潜実験艦(053H1Q型)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/15 13:57 UTC 版)
「053型フリゲート」の記事における「対潜実験艦(053H1Q型)」の解説
詳細は「江滬型フリゲート#江滬-IV型(053H1Q型)」を参照 1980年代、西側との関係改善とともに、西側製の先進的な武器システムの輸入が行なわれた。これらの性能を実証するため、江滬-I型(053H型)の5番艦であった四平(544)はこれらの武器システムを搭載して実験艦任務につくこととなり、形式番号も053H1Q型に変更された。NATOは同艦に江滬-IV型のコードネームを与えた。 053H1Q型(江滬-IV型)の最大の特長は、艦載ヘリコプターの運用設備を持つことである。ここには、フランス製のAS 365N ドーファン・ヘリコプターの中国版であるZ-9C哨戒ヘリコプター 1機が搭載されており、フランス製の着艦拘束装置によってある程度の荒天下でも運用できた。また、ソナー・システムとしては、フランス製のDUBA-25ソナーまたはその中国版であるSJD-7ソナー・システムが搭載されている。DUBA-25はフランス海軍のデスティエンヌ・ドルヴ級通報艦に搭載されたもので、36個のステーヴを直径115 cmのシリンダー状に配置しており、使用する周波数は8~10 kHzの中周波数、それぞれのステーヴが形成するビームの幅は10度で、周波数変調連続波 (FM-CW)方式、パルス幅は30ないし90ミリ秒である。対潜火力としては、イタリア製の324mm短魚雷3連装発射管とイタリア製のA244/S 短魚雷が搭載されたが、これらはいずれも従来の中国海軍フリゲートに類を見ない高水準のものであった。また、主砲はフランス製クルーゾ・ロワールT100C 100mm55口径コンパクト砲が搭載され、これは光学射撃指揮装置によって射撃指揮を受ける。 本艦は、以後のフリゲート・駆逐艦の開発にあたって重要な資料を提供したほか、運用試験の終了後は中国海軍でもっとも優れた対潜フリゲートとして活躍し、「中華反潜第一艦」(中国初の対潜艦艇)とも称された。
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