対不安定型超新星
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対不安定型超新星[1](ついふあんていがたちょうしんせい)(電子対生成型超新星[2]、pair-instability supernova[1][2]、pair-creation supernova[2])とは、太陽の130倍以上250倍以内の質量を持つ恒星で発生すると考えられている超新星爆発の1つである。この爆発は非常に大規模であり、通常の超新星爆発の10倍以上のエネルギーを放出する[3]。
- ^ a b ““死体”を残さない最大の超新星爆発”. ナショナルジオグラフィック (2009年12月2日). 2016年3月15日閲覧。
- ^ a b c 吉田敬「巨大質量星の進化と超高輝度超新星」『天文月報』2014年7月、 387頁、2016年3月15日閲覧。
- ^ a b c Supernovae Explosions Induced by Pair-Production Instability Astronomy Abstract Service
- ^ a b c d e SN 2006gy: Discovery of the most luminous supernova ever recorded, powered by the death of an extremely massive star like Eta Carinae arXiv
- ^ a b c d Pair-Instability Supernovae, Gravity Waves, and Gamma-Ray Transients Astronomy Abstract Service
- ^ The Evolution of Very Massive Stars Astronomy Abstract Service
- ^ a b c Pair Instability Supernovae: Light Curves, Spectra, and Shock Breakout The Astrophysical Journal
- ^ a b Supernova 2007bi as a pair-instability explosion arXiv
- ^ a b Superluminous supernovae at redshifts of 2.05 and 3.90 nature
- ^ Mysterious transients unmasked as the bright blue death throes of massive stars arXiv
- 1 対不安定型超新星とは
- 2 対不安定型超新星の概要
- 3 性質
対不安定型超新星爆発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/12 00:11 UTC 版)
「SN 2006gy」の記事における「対不安定型超新星爆発」の解説
爆発した星は太陽の約150倍の質量の超巨星で、対生成を伴うタイプの超新星爆発だったと考えられている。対生成を伴う超新星爆発は恒星の質量が太陽の約130から250倍ととても大きい場合にのみ起こる。超巨星の核は高エネルギーのガンマ線を発しており、そのエネルギーはE=mc2の式によると電子2個分のエネルギーよりも大きい。このガンマ線は恒星の磁場と干渉し、電子と陽電子の対が生成する。これにより、ガンマ線の平均伝播距離が短くなり、恒星内部の温度の上昇がもたらされる。やがて反応が暴走し、エネルギーはどんどん核に溜め込まれ、恒星の表面は内部に落ち込み始め、核はさらに圧縮される。この圧縮と熱により核を構成する物質の急激な熱核燃焼が発生する。爆発により、恒星はブラックホールすら残さず、完全に吹き飛ばされたとされる。このような爆発は対不安定型超新星爆発と呼ばれる。 りゅうこつ座η星との類似性 りゅうこつ座η星は、地球からの距離約7500光年というわれわれの銀河系に属する超巨星で、SN 2006gyが対不安定型超新星爆発であると仮定すれば、その前駆天体と同じ程度の質量を持つと考えられている。りゅうこつ座η星はSN 2006gyより32000倍も地球に近いため、同じような超新星爆発を起こせばその明るさは10億倍も大きくなる。SN 2006gyの視等級は15等であったが、りゅうこつ座η星の場合-7.5にもなるだろうと見積もられている。SN 2006gyの発見者の一人Dave Pooleyはもしりゅうこつ座η星が同じように超新星爆発を起こせば、地球では夜でも本が読め、昼でもその明かりが見えるほどに明るくなるだろうと語っている。天体物理学者Mario Livioは、りゅうこつ座η星の超新星爆発はいつ起こっても驚くに値しないが、地球からの距離が遠いため地球上の生命への影響は低いとしている。 カルガリー大学のDenis LeahyとRachid Ouyedは、SN 2006gyはもともとクォーク星だったと主張している。
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対不安定型超新星爆発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 21:52 UTC 版)
質量が太陽の100倍よりも大きい恒星の場合には、通常の重力崩壊による超新星とは全く異なる、対不安定型超新星と呼ばれるプロセスを経て超新星爆発が発生する。 このうち、質量が太陽の100倍から130倍の間までの恒星の場合、対不安定型超新星爆発によって恒星の一部が破壊されたあとに対不安定状態が平衡状態に戻り、質量の一部を失いながら恒星としての寿命が継続する(脈動対不安定型超新星(英語版))と考えられており、質量が太陽の130倍から250倍の間までの恒星の場合、対不安定型超新星爆発によって文字通り恒星全体が跡形もなく吹き飛び、ブラックホールすらも残さないような最期を迎えるものと考えられている。
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