宮地岳線向け改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 06:42 UTC 版)
「西鉄600形電車 (鉄道・2代)」の記事における「宮地岳線向け改造」の解説
2両編成4本、3両編成1本については非冷房車120形の置き換えのため、1990年(平成2年)から翌1991年(平成3年)にかけて宮地岳線への転用改造が実施され、1990年6月1日より営業運転を開始した。こちらはおおむね初期の車両が転用対象となった。 宮地岳線は狭軌であり、転用にあたってはおもに以下のような改造が施された。 ワンマン運転対応化前面左側の窓にワンマン表示灯を設置 運転室に自動放送装置を設置 客室内に非常通報装置を設置 連結面に発車ベルを設置 台車を120形から流用した東急車輛製造製TS301形台車に交換 車体塗装を宮地岳線在来車と同じ黄色(オキサイドイエロー)地に赤色(ボンレッド)帯に変更 先頭部の連結器をトムリンソン式密着連結器から並形自動連結器に交換 前面貫通幌・幌枠、ジャンパ連結器の撤去 東急車輛TS301台車はもともと東京急行電鉄5000系の廃車発生品で、1986年に譲り受け、120形の旧台車と交換していたものであるが、18m超軽量車体用の台車であり強度が弱いため、本形式への転用にあたり補強工事が実施されている。主電動機も同台車に装架されていた東芝製SE-158 (110kW) をそのまま使用したが、電気制動・弱界磁制御は使用されなかった。 甘木線用車両と同様、運賃箱や整理券発行機は設置されていない。 連結位置はモ600が津屋崎方、ク650が貝塚方である。 その後、台車・電気部品の老朽化により、1995年から順次、全編成とも台車を西武鉄道701系の廃車発生品である住友金属工業FS342形台車に交換している。本形式は1C4M方式であるが西武701系は1C8M方式であったため、主電動機については西武701系のものを使用せず、東洋電機製造で新製した出力120kWのTDK8066-Aに交換し、電気制動・弱界磁制御を使用するようになった。 2003年には甘木線で使用されていた619Fが300形の置き換えのため台車をFS342形に交換し、他の宮地岳線用本形式編成と同一仕様に改造された上で宮地岳線に転用された。続いて2005年(平成17年)には616Fも同様に転用されている。これにより宮地岳線の本形式は2両編成6本、3両編成1本体制となった。また同時期から、全車ともパンタグラフが従来の菱形から下枠交差式に取り替えられた。 2007年(平成19年)の宮地岳線一部廃止時には廃車はなく、引き続き全7編成が貝塚線で使用された。同年、宮地岳線一部廃止直前までに順次、連結面の発車ベルは電子音式のものに交換された。同年12月26日のダイヤ改正で全列車終日2両編成となったのに伴い、2008年2月16日付で608Fの中間車609が廃車となり、同編成は608-659の2両固定編成となった。 2015年には天神大牟田線の救援車であったモエ901・クエ902が313系315Fの代替として転用された。内装を旅客用に復元して他の貝塚線用600形とほぼ同一仕様とし、番号も614・664に戻して、同年1月24日、313Fの最終運行後にハンドル継承式を行い営業運転を開始した。これにより貝塚線所属車両は2両編成8本となった。 各編成の転籍日は以下のとおりである。 601F - 1991年5月19日 602F - 1990年5月18日 604F - 1990年6月8日 606F - 1990年7月5日 608F - 1991年6月30日 614F - 2015年1月17日 616F - 2005年4月27日 619F - 2003年6月6日
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