大阪府男性BのPC遠隔操作事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 17:45 UTC 版)
「パソコン遠隔操作事件」の記事における「大阪府男性BのPC遠隔操作事件」の解説
遠隔操作されたPCの所有者は大阪府のアニメ演出家の男性である。 7月29日21時45分ごろ - 大阪市公式サイトの相談窓口ページに「8月5日にヲタロードでトラックとナイフで無差別殺人をする」という内容の犯罪予告が投稿される。秋葉原通り魔事件を想起させる内容であった。この犯罪予告を受け、当該場所には警察官約90人が警戒にあたることになった。 7月29日 - 首相官邸の公式サイトへ「桜田門前で皇居ランナーを無差別殺人」という予告(当初はメディア非公開)がある。 8月1日13時25分ごろ - 日本航空公式サイトの顧客対応窓口に「日本航空の成田発ニューヨーク行きの006便に爆弾を仕掛けた」という脅迫メールが送られる。麻原彰晃とオウム真理教信徒全員の釈放を要求する内容があった。「さらに地下鉄で硫化水素散布を行う用意もある」との記述があり、地下鉄サリン事件を想起させる内容であった。同便(乗客247人・乗員18人・計265人)はメールが届く前の11時54分ごろに成田空港を離陸していたが、離陸から1時間半後に犯罪予告が届いたことを受け、日本航空は15時10分ごろにアリューシャン列島付近の上空を飛行中だった同便を成田空港に引き返すことを決定した。20時10分ごろに成田空港に着陸したあとで、千葉県警空港警備隊爆弾処理班によって機内や手荷物等の点検が行われた。成田空港に戻った乗客は別の日本航空の便に乗り換え、22時36分ごろに成田を離陸してニューヨークへ出発した。 オタロード事件についてログに残っていたIPアドレスから男性BのPCが特定された。8月上旬に男性BはPCを任意提出する一方で、任意の取り調べの中では容疑を否認した。捜査機関は約1か月間任意捜査で、「無線LAN無断使用」「CSRF攻撃」「遠隔操作ウイルス感染」「時限設定自動書き込みウイルス」などの可能性を考慮し、第三者の関与を想定して捜査を行った。しかし、捜査機関の当時の解析能力では遠隔操作ウイルスの痕跡は見つけられず、また複数のウイルス対策ソフトによる検査でも不正プログラムが見つからず、第三者の関与の可能性が低いと判断した。 8月26日に、警察はこの男性Bの犯行と断定して、オタロード事件の容疑で威力業務妨害罪で逮捕した。しかし男性Bは、逮捕後も容疑を否認し続けたため、9月14日に偽計業務妨害罪で起訴された。その後、三重県の事件で新種のトロイ感染が発見されたことを受けて改めてPCを調査したところ、同種のトロイプログラムに感染していた痕跡が確認されたため、9月21日に釈放され、10月19日に起訴取り消し処分となった。
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