大阪府私立学校審議会の審査を巡る経緯
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「森友学園問題」の記事における「大阪府私立学校審議会の審査を巡る経緯」の解説
学園側は2011年、幼稚園しか設置していない学校法人でも小学校の開設に借入金を充てることを容認するなどの内容の私立小学校設置認可基準緩和を府に要望し、府は2012年4月、基準を緩和した。森友学園以外から同様の要望はなく、基準の緩和後の小学校認可の申請は2017年時点で森友学園の1件のみであった。当時大阪府は教育の規制緩和を進めており、私学課は「同様の要件を設けている都道府県がほとんどなく、合理的でないと判断した」と説明した。 2014年10月、学園が小学校開設の認可を大阪府に申請。12月の大阪府私立学校審議会定例会で学園の小学校開設が議論されたが、校舎建設などのために積み立てる基金が無いなど、財務状況などの問題点の指摘が相次ぎ、継続審議となった。2015年1月27日の臨時会でも、「入学者が確保できるのか」「こんな絵空事でうまくいくとは思えない」などの疑問が委員から相次ぎ、「収支上、ウルトラC以上のすごい実態になる。不正の可能性はないと仰せられるんでしょうか?」との質問に対し、府の担当者は「(学園側からの)財務諸表に添付されている公認会計士からの書面を確認し、適正なものと判断している」と答え、寄付金の受け入れ状況や入学者の確保、教育内容などを追加報告することを条件とした「条件付き認可適当」の答申を出した。審査は府の基準で認めていない借地を利用した校舎建設を前提に進められ、学園側は土地購入を前提に近畿財務局と借地契約を結ぶと説明し、私学課は将来的に土地が学園の所有になると判断していた。問題発覚を受け、学園側が基準緩和を要望した時の大阪府知事であった橋下徹は、2017年3月にツイッターを更新し、「認可判断にミスがあるとすれば、私学新規参入の規制緩和実施後の審査体制を見直さなかった僕にある」「規制緩和と審査体制強化をワンセットでやらなければなりませんでした。ここは僕の失態」と述べ、手続きの不備に言及した。2017年4月に府は審査に問題はないとする検証結果を公表し、上司に判断を仰がなかったとして当時の私学課長を厳重注意処分とした。 問題が発覚した後の2017年3月3日には、大阪維新の会の中川隆弘大阪府議(豊中市選出)が、2014年12月の府の認可保留後、松浦正人山口県防府市長の仲介で籠池夫妻と面会し、小学校の設置認可について働きかけを受けたことを明らかにした。また、籠池は2013年には鴻池の元秘書であった自民党の黒川治兵庫県議を介して鴻池の神戸事務所を訪れ、国有地の確保に向け頻繁に陳情を繰り返したほか、2014年11月には豊中市選出の元自民党府議を通じて浅利敬一郎豊中市長と面会するなど、開校実現に向けて地方議員らへ接触を繰り返していた。
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