堆厩肥材料の準備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 04:52 UTC 版)
キノコの生育には炭素化合物(C)、窒素化合物(N)、無機塩類、水、酸素などが必要で、伝統的な厩肥を使う場合、最も優れた材料は馬厩肥である。厩舎で糞尿と混ざった「敷き藁」を単独で、あるいは麦藁(日本では主に稲藁)を追加して糞尿と藁の配分費を調節してやるだけで、栽培用厩肥の材料としては十分である。牛厩肥や豚厩肥の場合は、それ自体の栄養素の量が馬厩肥とは異なるため、窒素、リン酸、カルシウムなどを補強すると共に、糞の質が緻密で水分が多い場合は、ワラの量を増量し調整する必要があるが、複雑な調整を必要としない、牛厩肥とオガクズを発酵させる方法もある。 イネ科植物の茎葉などの植物質を原料に使って合成堆肥を作る場合は、添加物として尿素、硫酸アンモニウム、鶏糞などの有機、無機の窒素肥料を主体に、無機塩類源としての炭酸カルシウムや石膏、リン酸や微量元素を補強するための専用添加剤などを加える。 実際に使用される窒素源は、石灰窒素CaCN2、硫酸アンモニウム(NH4)2SO4、尿素(NH2)2CO、硝酸アンモニウムNH4NO3、塩化アンモニウムNH4Cl で、好熱性微生物群の良好な増殖のために、単一の原料を使用せず複数の原料を混合して使用する。培地の炭素 率(C/N 比)は重要で、微生物の活動が活発になる比率に調整される。 無機塩類は、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、イオウ、銅、鉄、マンガン、モリブデン、亜鉛等が必要とされるが、各々元素の必要量には諸説あり、十分に解明されていない。市販のコンポスト活性資材では、Na2O、K2O、CaO、MgO、Fe2O3、MnO、Al2O3、SiO2、B2O3、P2O5 を成分として含有する。 その他として、微生物の活動活性化とキノコの成長促進のため、フェニルアラニン、メチオニン、プロニン等のアミノ酸類の他、インドール-3-酢酸や脂質、ビタミンB7、ビタミンB1が生育因子であるとされ、微量が添加される場合がある。 伝統的培地の例 「馬厩肥」「鶏糞」「麦藁」「石膏」 近代的培地の例 「牛厩肥」「乾燥鶏糞」「稲藁」「トウモロコシ穂軸粉」「大豆粕」「ビール粕」「米糠」「小麦フスマ」「醤油粕」「石灰窒素」「尿素」「石膏」「無機塩類」「その他」「菌床栽培の廃培地」 日本における近代的培地は、家畜厩肥や食品加工産業の廃棄物有効利用の観点からも発展した。
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