国鉄・JR東海・JR西日本との関係
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「近畿日本鉄道」の記事における「国鉄・JR東海・JR西日本との関係」の解説
国鉄への対抗意識から、関西私鉄の多くが国鉄の駅との連絡に消極的であったのに対し、近鉄は大軌子会社の参急発足の頃から、積極的な連絡を図ろうとした。その名残で特に三重県には、津駅・松阪駅・伊勢市駅といった、JRと近鉄が同じ構内を共同で管理する駅が存在する。 さらに名古屋線などの前身である伊勢鉄道(後の伊勢電気鉄道)、南大阪線などの前身である大阪鉄道、吉野線の前身である吉野鉄道などといった会社も、元々は「国鉄と貨物の連携輸送を行うこと」を目的に設立されたことから、それらの会社が建設した路線にも桑名駅や柏原駅・吉野口駅など、JRの駅へ乗り入れている駅がいくつか存在している。 他にも鶴橋駅や近鉄名古屋駅のように、JR線との乗り換え改札口を設けている駅もある。一方で近年は、桜井駅や京都駅のように、JRと改札が分離された事例もある。また近鉄四日市駅は、かつて国鉄四日市駅に近接していたが、名古屋線の付け替え(いわゆる「善光寺カーブ」の解消)により、独自の駅に分離した。 加えて、スルッとKANSAIの導入には最初は消極的であったり、JR西日本の「Jスルーカード」が、近鉄の鉄道路線(青山町駅以西の「スルッとKANSAI」対応線区に準ずるが、けいはんな線を除き、道明寺線が含まれる)や近鉄バス(北摂地区を除く)でも利用可能だった(2009年3月1日で自動改札機・自動精算機での利用を停止。以後は自動券売機での乗車券への引き換えのみ可能)という関係もある。 近鉄特急も近鉄京都駅、近鉄名古屋駅では遠方からの利用客を考慮して東海道新幹線の接続を意識したダイヤを設定している。 2009年11月から近鉄グループと東急グループの東急不動産(2011年4月26日にあべのキューズタウンを開業)の共同企画として行われている天王寺・阿倍野地区のイメージ向上を目指す「Welcoming(ウェルカミング)アベノ・天王寺キャンペーン」に、翌年2010年5月より天王寺ミオなどJR西日本グループも参加している。 2012年5月10日には、近鉄グループの鉄道車両メーカーである近畿車輛にJR西日本が資本参加し、人事交流や車両の共同開発などを目的とした、業務・技術提携が締結された。 2012年夏には、JR西日本で発売された「夏の関西1デイパス」では鶴橋駅または京都駅から生駒駅までの往復乗車券と生駒鋼索線(生駒ケーブル)の乗車券が引き替えできるオプションが用意された。これ以降も季節ごとに、近鉄のオプション乗車券引き替えが選択可能な「関西1デイパス」が順次発売されている。 さらに、近鉄・JR西日本と近畿日本ツーリストの3社共同企画として、「近鉄電車&山陽新幹線で行く! 九州、伊勢志摩」の旅行商品の販売キャンペーンも行われている。 近鉄でのIC定期は、京阪電気鉄道同様にPiTaPaではなく、JR西日本のICOCAで発行されることになった。2012年12月1日に発売を開始し、JR西日本・京阪・阪神各社との連絡定期券も同時に発売開始した(阪神ではPiTaPa連絡定期券として発売)。さらに2013年3月23日からは、JR東海とのICOCA連絡定期券も発売開始し(JR東海ではTOICA連絡定期券として発売)、2014年3月14日には南海電気鉄道とのICOCA連絡定期券も発売を開始している(南海ではPiTaPa連絡定期券として発売) ほか、9月21日には名古屋鉄道とのICOCA連絡定期券も発売を開始した。 後にJR東海が展開する「うましうるわし奈良」キャンペーンにも協力しており、近鉄の駅構内や車内において、同キャンペーンの広告を2社共同で出稿しているものもある。 2013年10月には、近鉄・JR西日本と南海の3社共同企画として、「高野(紀北)・熊野&伊勢志摩 ぐるり旅」キャンペーンが、各社の沿線情報タブロイド紙(「近鉄ニュース」「西Navi」「NATTS」)に掲載された。 共同使用駅の例(吉野口駅) 共同使用駅の例(伊勢市駅) 近鉄がJR西日本と共同発行しているKIPS ICOCAカード。近鉄とJR西日本の関係性を示す物の一つである
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