困難な治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/20 23:22 UTC 版)
「高密度不活性金属爆薬」の記事における「困難な治療」の解説
飛散物が粒子状の金属のため、人がこの加害範囲に居た場合には体組織が細かく破壊され、治療時にも患部を切除するしかなく、切除を免れた患部の金属粒子も除去が困難であるとされる。治療の困難さを「残虐」とする論調もあるが、通常爆弾による爆発で無数の金属片で人体を切り裂かれた被害者と比べ、どちらが残虐かを問うことに答えは出せないとする論調もある。残留する重金属粉末による環境汚染が問題視される場合もあるが、これは狩猟用鉛散弾のように重金属を使用するあらゆる弾体に共通するもので、DIME特有の事例ではない。
※この「困難な治療」の解説は、「高密度不活性金属爆薬」の解説の一部です。
「困難な治療」を含む「高密度不活性金属爆薬」の記事については、「高密度不活性金属爆薬」の概要を参照ください。
困難な治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:54 UTC 版)
「地方病 (日本住血吸虫症)」の記事における「困難な治療」の解説
病原体(日本住血吸虫)の発見と感染経路の解明、そして中間宿主(ミヤイリガイ)の確定は、地方病の予防という観点から見れば非常に大きな成果であった。しかしその一方で、すでに罹患してしまった患者に対する治療は困難を極めた。日本住血吸虫は血管内に寄生するタイプの寄生虫であり、消化器官に寄生するギョウチュウなどの寄生虫を体外に排出するだけの虫下しでは駆除することはできないためである。 研究者たちは、血管内部の寄生虫を駆除するためのさまざまな研究を始めた。東京帝大伝染病研究所へ戻っていた宮川米次は、1918年(大正7年)から1923年(大正12年)頃にかけて、製薬会社萬有製薬との共同研究により酒石酸アンチモンなどの化合による駆虫薬、スチブナール (Stibnal:sodium-antimony-tartrate) を開発し、宮川、土屋両氏の勧めもあって、山梨の三神三朗に治療実験の依頼がされた。 三神による300人以上の患者を対象にした臨床試験の結果、門脈内に寄生した日本住血吸虫の卵巣機能を破壊し、卵を産めなくさせることによって、罹病者の便から虫卵を消失させる効果が実証され1923年(大正12年)12月に実用化された。しかしこの治療は、技術的に難しい20数回もの静脈注射を必要とする困難な治療であった。その上、半金属系であるアンチモンによる副作用として、体中の関節の激しい痛み、悪心、嘔吐が起きるなど、患者の肉体的負担も大きかった。 約半世紀後の1970年代にドイツの製薬メーカーバイエルが副作用を低減した飲み薬である錠剤の新薬プラジカンテルを開発するまで、スチブナールは唯一の地方病治療薬であった。しかし、スチブナールもプラジカンテルも、体内の日本住血吸虫を殺傷するための薬であり、すでに罹患者の臓器に蓄積されてしまった卵殻を除去するものではない。すなわち地方病の治療は対症療法止まりで、完治させるものにはなり得なかった。
※この「困難な治療」の解説は、「地方病 (日本住血吸虫症)」の解説の一部です。
「困難な治療」を含む「地方病 (日本住血吸虫症)」の記事については、「地方病 (日本住血吸虫症)」の概要を参照ください。
- 困難な治療のページへのリンク