商品化されたワイルドキャット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 06:21 UTC 版)
「ワイルドキャット・カートリッジ」の記事における「商品化されたワイルドキャット」の解説
いくつかのカートリッジは、カスタム・メイドの(市販用ではない)ワイルドキャット・カートリッジとして出発したが、十分広く普及したり、人気が出たりしたので、市販されるようになった。通常、あるカートリッジは、民間の銃器メーカーがその口径の銃を提供するようになると、ポピュラーになる。いったんポピュラーになると、SAAMI(英語版)の基準を開発するための資金が出来る。SAAMIの基準ができると、すべての銃器および弾薬メーカーは、SAAMIの基準を満たして製造した製品はすべて安全に使用できることが保証できるようになる。 商品化されたカスタム・カートリッジの例を挙げる。 .22-250(英語版) .250サベージの薬莢をもとにしており、.22-250は入手可能な.22(5.56 mm)口径のなかで、最も高速な弾薬の一つである。ファクトリー製の最初の銃は、1963年にブローニングから提供され(これは、ワイルドキャット・カートリッジ用の最初のファクトリー・ガンである)、その後、.22-250はレミントンによって.22-250レミントンとして採用された。 .22 CHeetah(英語版) .308 BR(ベンチレスト)薬莢をネック・ダウンして.22口径としたもので、.22 CHeetah は4,000 ft/s (1,200 m/s)という相対的に高速な.22口径の弾頭のおかげで、平らな弾道を描く。銃身には負担がかかるが、300ヤード (270 m)の距離の害獣駆除用の弾薬として、非常に効果的である。 .303/25(英語版) .303ブリティッシュ弾を.25口径にネックダウンしたもので、オーストラリアにおいて、カンガルーの処分(en:culling)や害獣駆除用に、1940年代に開発された。ニューサウスウェールズ州で1940年代から1950年代にかけて普及したが、これは銃規制によって、.303ブリティッシュ弾を使う銃の所有が制限され、また、民間用の狩猟銃や弾薬を海外から輸入するのが難しかったからである。今は時代遅れであるが、オーストラリアには、この口径に改造されたリー・エンフィールド・ライフルが多く残っている。 6.8mm SPC このカートリッジはアメリカ軍の特殊部隊の、5.56x45mm NATO弾よりも殺傷力の大きな弾薬の研究によって開発された。.30レミントンをもとに、.270口径にネックダウンし、M16自動小銃にちょうど良い大きさにしたものである。6.8mm SPCは、現在のところ軍の公式な採用は疑問視されているが、アフガニスタンとイラクで特殊部隊の兵士によって使われており、また、民間にも普及しつつある。 7mm-08 .308ウィンチェスターをネック・ダウンして7 mm (.284 口径)にしたもので、より軽く空力的に優れた7mm弾頭によって、よりフラットな弾道になっている。性能は7mmマグナムに似ているが、より短いライフル・アクションとすることができ、また、ベルテッド薬莢を必要としない。 7-30 Waters(英語版) 7-30 Watersは、1890年代の昔に設計されたレバー・アクション・ライフルの性能を向上させる目的で設計された。.30-30ウィンチェスター弾(英語版)をネック・ダウンして7 mm (.284 口径)にしたものである。レバー・アクション・ライフルが許容できる腔圧の低さと、チューブ式弾倉に装填するために必要な平らな弾頭にもかかわらず、7-30 Watersは弾頭の重さをわずかに減少させることによって、大幅な速度の向上と、部分的な密度の向上を実現した。このカートリッジは、また、トンプソン・センター・アームズのコンテンダーやG2のような、チューブ式弾倉では安全に使えない先の尖った弾頭が使える利点を持った単発式の拳銃を使うハンターの支持も得た。このカートリッジは、小型から、オジロジカやミュールジカを含む中型の獲物に対して、非常に効果的である。 .454カスール このマグナム・リボルバー・カートリッジは、.45ロング・コルト弾を延長したもので、高威力のビッグ・ゲーム・ハンティング(大物狩り)用の弾薬として、Dick Casull と Jack Fulmer によって、1957年に開発された。長い間、ワイオミングの小さなメーカーであるフリーダム・アームズ(英語版)だけが、このカートリッジを使う銃の唯一のメーカーだった。1990年代の中ごろ、スターム・ルガーとタウルス(英語版)の大手二社は、.454カスール口径の銃の販売を始めた。.454カスールは、その高い威力で人気になっていたからである。1998年、SAAMIはこのカートリッジの基準を初めて公表し、このカートリッジは最終的に市販された。
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