合意の共同記者発表
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 16:42 UTC 版)
「慰安婦問題日韓合意」の記事における「合意の共同記者発表」の解説
2015年(平成27年)12月28日に大韓民国(通称:韓国)ソウルの外交部で行われた日本の外務大臣の岸田文雄と韓国の外交部長官の尹炳世による外相会談後の共同記者発表で、両外相は「日韓間の慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と表明。韓国政府が元慰安婦支援のため設立する財団に日本政府が10億円を拠出し、両国が協力していくことを確認した。外相会談では、日韓両政府が今後国際連合など国際社会の場で慰安婦問題を巡って双方が非難し合うのを控えることも申し合わせるとともに共同記者発表で両外相がその旨を表明した。岸田は共同記者発表において「当時の軍の関与のもとに多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感している」とし、「安倍晋三首相は日本国の首相として、改めて慰安婦としてあまたの苦痛を経験され心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べた。一方、尹は「両国が受け入れうる合意に達することができた。これまで至難だった交渉にピリオドを打ち、この場で交渉の妥結宣言ができることを大変うれしく思う」と語った。 また、尹は共同記者発表の中でソウルの在韓日本国大使館前に設置されている慰安婦を象徴する少女像(以下では『慰安婦像』との呼称を使用する)について「日本政府が大使館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、韓国政府としても可能な対応方向について関連団体との協議を行うことなどを通じて適切に解決されるよう努力する」と表明し、岸田もソウル日本大使館前の慰安婦像の扱いについて記者団に「適切に移転がなされるものだと認識している」として慰安婦問題に「終止符を打った」と語った。日韓両国はこの合意の際に公式な文書を交わさず、両国外相が共同記者会見を開いて合意内容を発表するという形式がとられた。 同日夜、日本の安倍と韓国大統領の朴槿恵は約15分間の首脳電話会談を行い、両首脳は慰安婦問題をめぐる対応に関し11月の日中韓サミットの機会に行われた日韓首脳会談から協議を加速させ合意に至ったことを確認し評価した。安倍は「日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明」し、「慰安婦問題を含めた日韓間の財産・請求権の問題は1965年の日韓請求権・経済協力協定で最終的かつ完全に解決済みとの我が国の立場に変わりはないが、今回の合意により慰安婦問題が『最終的かつ不可逆的に』解決されることを歓迎」した。朴大統領は今次外相会談によって慰安婦問題に関し最終合意がなされたことを評価するとしたうえで新しい韓日関係を築くために互いに努力していきたいと述べた。
※この「合意の共同記者発表」の解説は、「慰安婦問題日韓合意」の解説の一部です。
「合意の共同記者発表」を含む「慰安婦問題日韓合意」の記事については、「慰安婦問題日韓合意」の概要を参照ください。
- 合意の共同記者発表のページへのリンク