古代地理学とは? わかりやすく解説

古代地理学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/10 01:37 UTC 版)

トゥーレ」の記事における「古代地理学」の解説

トゥーレについての最初記述は、ギリシア探検家ピュテアスの『大洋 On the Ocean』に見られる紀元前330年から320年の間に彼が行った旅行の手記であるが、これは現在は失われている。 彼は恐らくギリシアマッサリア現在のマルセイユ)により、取引商品由来確かめるために派遣されたと思われる彼の発見に関するいくつかの記述残存するものの、その内容については疑わしいものも多い。 例えば、ポリュビオスによる紀元前140年著書『歴史』の XXXIV 巻に、ピュテアス言及する部分がある。「彼の記述多く人々間違った方向導いた。彼はブリテン全体徒歩横断した述べ、その外周を4,000スタディアとした。また彼はトゥーレについても、その伝説の地には地面や海や空気区別がなく、その3つが混然となった、歩くことも航行することもできない全て混ぜ合わさった、いわばクラゲのようなものだ」と述べている。 ギリシア地理学者歴史家ストラボン(紀元前64年頃 - 紀元前23年頃)は著書の『地理誌』(I 巻 第4章)でトゥーレ触れエラトステネスの「人が住んでいる世界の幅」の計算や、ピュテアスの「ブリテンから北へ帆航6日凍った海の近く」の注釈について記述している。しかし彼はこの主張疑問呈し、「詳細な調査をすると、ピュテアス大嘘つきだと分かったブリテンとイエルネ(アイルランド)を見たことのある人々は、他の小さな島々やブリテンについて話すことはあっても、トゥーレについて話すことはなかった。」と書いている。ストラボンまた、次のようにも(II 巻 第5章述べている。 マッサリアのピュテラスはトゥーレについて語り、そこはブリテン諸島最北よりも遥かに北、そこでは夏至太陽軌道北極圏並だという。しかし、私の過去読書範囲では、他にトゥーレについて記述してる人はいない。はっきりとトゥーレという名で呼ばれている島がある訳でもなく、夏至太陽軌道北極圏並み北方に人が居住可能なでもないストラボンIV 巻 第5章次のように締めくくっている。「我々が知りうるトゥーレに関する過去情報からは、その存在位置さえはっきりしない。そのためトゥーレと、その名で呼ばれる全ての国は、最北果てにあるとされる。」 それからほぼ半世紀経た77年大プリニウス著書博物誌』を出版しその中で彼もまたピュテアスの「ブリテンの北に航行6日」という主張Ⅱ巻75章)に触れている。またIV 巻16章ブリテン周辺の島々について議論する際には、次のように記述している。「話題出てきたうち、最も遠いのがトゥーレである。そこでは驚いたことに真夏太陽かに座のあたりを通過する頃には夜が全く訪れず、逆に真冬には、昼が全く訪れない。そしてそれが恐らく一日中あるいは一晩中それぞれ6か月ずつ続くのである。」最後には島の位置について彼の解説した場所から真北果ての地と推定しVI巻 第34章に次のように記述している。「リーフェイの丘からスキタイ方向真っ直北上するトゥーレにいたる。そこでは日夜が6ヵ月ごとにやってくる。」 オロシウス(384-420 A.D)やアイルランド修道士ディクイル8世紀後期から9世紀初期のような他の古典派文筆家古典期以降文筆家も、トゥーレアイルランドブリテンの北や西にあると記している。ディクイルは、トゥーレフェロー諸島思われる島々向こうに存在する記述し強くアイスランド示唆した歴史家プロコピオス6世紀前半著書によればトゥーレ大きな島で、25種族居住しているという。実際にプロコピウス述べたトゥーレは、スカンディナヴィアのことだと思われる。というのは、いくつかの種族簡単に特定され、その中にはゲータ人やサーミ人含まれているのである。彼はまた、3世紀から5世紀渡って活躍したヘルール族ランゴバルド人敗れて帰還する際、ヴァルニ族 (Varni tribe) やデーン人をやり過ごし、海をトゥーレ渡り、そこでイェーアト族 (Geats) の近く住みついたと書いている。

※この「古代地理学」の解説は、「トゥーレ」の解説の一部です。
「古代地理学」を含む「トゥーレ」の記事については、「トゥーレ」の概要を参照ください。

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