古代哲学者のダイモーンとは? わかりやすく解説

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古代哲学者のダイモーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/10 18:54 UTC 版)

聖守護天使」の記事における「古代哲学者のダイモーン」の解説

古代ギリシア・ローマ世界ではキリスト教守護天使にも似た守護精霊存在信じられていた。それは個人誕生時から最期までつきまとっている善なる霊であり、個人運命司るものであった古代ギリシア人ヘレニズム期ギリシア化され人々はこれをダイモーン(δαίμων、ラテン文字転写 daimon)と呼んだ。(ダイモーンラテン語形はダエモン daemon であるが、これはキリスト教興隆以降悪霊の意味合い強くなった。後述するゲニウスダイモーン対応するラテン語語彙である。) 語源はどうであれ、古代詩人ホメーロスからアレクサンドリアのフィロンのようなヘレニズム期著述家に至るまで、ダイモーンは「神的な存在」を意味する言葉であった日本語では「神霊」「鬼神」と訳されるテオス(神)との境界線は必ずしも明確でないが、おおむね神よりも下位種々の精霊指したプラトンの『饗宴』では、神々死すべき人々の間に位置づけられ、両者なかだちする存在として語られる。そこでは愛神エロースダイモーンの例に挙げられている。概括すればダイモーンさまざまな事象の裏隠れた神的な力であり、その擬人化であったまた、古代ローマ人にはダイモーン類似したゲニウスgenius)という概念知られていた。ゲニウス個人土地守護神であり、この言葉個人天分という意味でも用いられた。ゲニウス由来する英語のジーニアス通常天才天賦の才意味する。 『ソクラテスの弁明』の中でソクラテスは、子どもの頃からたびたび神のお告げ聞いていたと語る。かれがダイモニオンと呼ぶこの内なる声は、自分まちがったことをしようとする時に警告発してこれをおしとどめたという。ダイモニオンソクラテスにとって内的な自制心の謂いであったかもしれないが、かれ個人の神とも解釈しうるものであり、かれを告発した当時アテーナイ人々にとって、伝統的な神々ないがしろにして聞いたともない秘密の神を信仰しているとの疑念抱かせるものであった。後のプラトン派の人々ソクラテスダイモニオン個人精神的な導き手解釈し守護霊としてのダイモーン人間内在する神的なものみなした現代ではジークムント・フロイト超自我似たものとも評されるプラトン『ティマイオス』は、人間の頭には理性的な霊魂である不死なるダイモーン宿り胸腹部には動物的衝動である死すべき霊魂宿るとしている。ストア派ダイモーンないしダイモニオン心の奥にある良心のようなものとして捉えていた。

※この「古代哲学者のダイモーン」の解説は、「聖守護天使」の解説の一部です。
「古代哲学者のダイモーン」を含む「聖守護天使」の記事については、「聖守護天使」の概要を参照ください。

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