古代ギリシャの僭主とは? わかりやすく解説

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古代ギリシャの僭主

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/03 23:17 UTC 版)

僭主」の記事における「古代ギリシャの僭主」の解説

アルコーン」も参照 世界の歴史の中で、特に、君主または政治家に対して僭主概念用いられる時代地域のひとつに古代ギリシアにおける僭主政治がある。古代ギリシアにおける僭主は、基本的に貴族政をとるポリスにおいて、政治的影響力増大させてきた平民支持背景に、貴族合議制抑えて独裁的権力振るった政治指導者をいう。 多くポリスは、王が神話時代遡る正統血統継いでいることをもってその支配正当化していた王政から、共和制形態をとりつつ、貴族階級実質的にポリス主導権掌握する貴族政移行していた。貴族貴族であるためには、血統出身地のほかに、戦争に際して武器・防具食糧などの軍需物資とその輸送手段自費準備し残された家族の生活まですべて含めた兵役負担できるための経済力必要だった。しかし、平民であっても交易などによって貴族階級劣らない経済力備えた富裕な市民増え一方で没落して兵役負担できなくなる貴族少なくなく、それまでもっぱら貴族によって担われていた兵役平民負担するようになり、その力が他のポリスとの戦争勝敗左右することになると、平民ポリス政治から疎外されていることに対する不満が増大していった。 こうしたなかで、平民階級利害政治反映させることを主張して彼らの支持とりつけ数の力貴族階級の担う共和制制度廃止または形骸化して個人として権力を掌握する者が登場してくる。彼らは、貴族階級独占していた共和制という枠組み平民階級開放するというスタンスをとったので「王(バシレウス)」と称することはなく、多く場合明確な官職役職につくこともなかった。支持者からは、小アジア起源を持つ外来語で「支配者」を意味する「テュランノス」の語で呼ばれた。「テュランノス」ということばはもともと価値判断含まないものであり、その権力非合法性を強調した日本語訳僭主」は正確な翻訳とは言えない。 僭主は、実力高めてきた平民階級既得権守ろうとする貴族階級との軋轢のなかで登場した過渡期存在であったため、アテナイのように、貴族階級平民階級包含した市民団が成立し市民全体によるポリス運営である民主政創出成功したポリスでは、抑圧的な独裁者として糾弾されることとなったアテナイでは僭主出現を防ぐために陶片追放制度導入された。 古くからの貴族政維持できたポリスはさして多くなく、またギリシャから地中海黒海沿岸各地進出した移民建設した歴史新しポリスもあり、多くポリス僭主出現したが、そのあり方はさまざまであり、王を称して自ら世襲君主となる者もいた。

※この「古代ギリシャの僭主」の解説は、「僭主」の解説の一部です。
「古代ギリシャの僭主」を含む「僭主」の記事については、「僭主」の概要を参照ください。

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