古代ギリシャなど
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 07:32 UTC 版)
一元論には様々なタイプがあるが、それぞれの理論において究極とされている存在は、"Monad"(モナド)という言葉で呼び表される。モナドという言葉は「単一の、単独の」といった意味を持つギリシャ語 μόνος (モノス)に由来し、古代ギリシアのエピクロスやピタゴラスによって最初に用いられた。 以下に掲げるソクラテス以前の哲学者が、世界を一元論的なものとして記述している。古代ギリシャではそれは、おおむね「アルケーは何か?」という問いに答えるような形で表現された。以下、論者とそれぞれの考えの主旨を記す。 ターレス - 万物のアルケーは水である。 アナクシマンドロス - アルケーは「アペイロン」すなわち無限な何かである。世界はなんらかの一つのものであるが、われわれがそれを知ることはできない。 アナクシメネス - アルケーはプネウマ(pneuma、気息、空気)である。 ピタゴラス - アルケーは数である。 ヘラクレイトス - アルケーは火である。火のもとで万物は流転する。 パルメニデス - アルケーは一である。世界は不動の完全な球面であり、不変、不可分である。 ミレトスのレウキッポスとその弟子 アブデラのデモクリトス - それはアトムと空虚(すなわちアトムと無アトム)である。 アナクサゴラス - アルケーは宇宙的精神である。 (以上に対して、エンペドクレスは地、空気、火、水の四元素説を唱えており、一元論ではない) また、ソクラテス以降の哲学者の中では、 ティアナのアポロニウスなど新ピタゴラス派の人々が、モナドすなわち一者を核に置いた世界観を立てている。 ヌメニオスの著作に影響を受けた中期プラトン主義が、モナドすなわち一者から世界が流出したと述べている。 ネオプラトニズムも一元論的である。プロティノスの教えによれば、世界は神聖超越の神すなわち「一者」であり、この一者からさまざまな世界が流出する。ヌース(神なる精神)、プシュケー(宇宙の魂)、コスモス(世界)は、一者から流出したのである。
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