古スウェーデン語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/10 22:50 UTC 版)
「スウェーデン語の歴史」の記事における「古スウェーデン語」の解説
1225年以降の中世のスウェーデン語を古スウェーデン語という。この時期の変化として、カトリックとその修道会が根付いたことで、ギリシア語とラテン語からの大量の借用語がもたらされたことが挙げられる。また13世紀末から14世紀にかけてハンザ同盟が勢力を増し、中期低地ドイツ語(低ザクセン語)の影響が現れる。ドイツ語話者が多量に移住し、その多くは中世スウェーデン社会で影響力を持ち、その結果彼らの母語から単語が持ち込まれることになった。軍事、貿易、行政に関わる語だけでなく、文法的接尾辞や接続詞までが輸入されたのである。 中世初期のスウェーデン語は、現代のように格や性が単純化していない。名詞、形容詞、代名詞の格変化は、現代にもある主格、属格だけでなく、与格と対格があった。性は現代ドイツ語と同様に男性、女性、中性の3つがあったが、現代では男性と女性の区別がなくなり共性になっている。動詞はもっと複雑で、仮定法や命令法があり、動詞は人称と数によって活用する。口語や世俗的な文章での格や性は16世紀までに現代スウェーデン語と同じ2格2性に単純化した。古い活用形は格調高い文章では18世紀まで、方言によっては20世紀初期まで残っていた。 aeの2字を次第にæあるいはa'と綴るようになり、同様にaaをaa、oeをoeと綴るようになった。これらはその後それぞれä、å、öという別の字になった。また14世紀までは歯摩擦音を示すþが使われていたが、有声無声に応じてdh、thと綴られるようになった。この時代に[aː]→[oː]→[uː]→[ʉː]という母音推移が起きている。
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