現代スウェーデン語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/10 22:50 UTC 版)
「スウェーデン語の歴史」の記事における「現代スウェーデン語」の解説
現在話されているスウェーデン語は学術的にはnusvenskaと呼ばれている。19世紀末期に始まるスウェーデンの工業化と都市化に伴い、新たなスウェーデン文学が登場する。多くの作家、学者、政治家などが勃興しつつある新しいスウェーデン語に影響を与えたが、なかでも影響があったのはヨハン・アウグスト・ストリンドベリであった。 スウェーデンで共通語・標準語としてのスウェーデン語が通用するようになったのは20世紀のことである。1906年の改綴により、わずかな例外を除けばほぼ一貫した正書法がようやく確立した。動詞の複数形と細かな文法の差を除けば、特に文章語は現在使われているスウェーデン語と同じになった。動詞の複数形は当時使われなくなりつつあったがまだ残っており、特にフォーマルな文章では1950年代まで残っていたが、現在では公的な勧告においても廃止されている。 1960年代にdu-reformenと呼ばれる、2人称代名詞にまつわる改革があった。それまでは同格あるいは目上の人に呼びかけるには常に適切な肩書きと姓を使う必要があり、herr、fru、fröken(それぞれ英語のmister, missess, missに相当)といった呼びかけは地位、学位、階級などが不明の初対面の人との会話のはじめでしか使えなかった。20世紀初頭に、肩書きを必須とするのではなく、フランス語のように2人称複数の代名詞Niで呼びかけるという試みがあったがうまくいかなかった。結局目下の人に使うduより少しはましという使われ方になった。1950年代及び60年代にかけてのスウェーデン社会のリベラル化・革新化により社会的地位の区別があまり重要と見なされなくなった結果、duはフォーマルあるいは公的な場でも普通に使われるようになった。
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