原則に関する声明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 08:59 UTC 版)
「アメリカの理想を守るための映画同盟」の記事における「原則に関する声明」の解説
この同盟は1944年の設立直後に、次のような「原則に関する声明」(Statement of Principles)を発表した。 私たちは、アメリカ的な生き方のすばらしさを信じている。私たちは、アメリカ的な生き方が好きだ。何世代もの人々が闘って生み出し、そして守りぬいてきた、選択の自由と、拘束されない自由。個人として、自由な人間として、発言し、思考し、生活し、信仰し、労働し、自治する自由。自由な人間として、自分自身の能力と力に従い、成功も失敗もできる権利。 こうしたことのすばらしさを信じる私たちは、こうした生き方を破壊的手段で打ち崩し、変えさせようとする共産主義や、ファシズムや、それらに類似した思想の台頭に、強い不安と不快を覚える。彼らは、私たちのこの国に存在する権利を失った人々だ。なぜなら彼らは、自分達が望む変化を、決められた投票手続き以外の方法で実現しようとする人々であり、多数派の人々の意見に従った統治の正当性を否認する人々だからだ。 映画を専門とする私たちは、この業界が共産主義者や急進論者や奇人たちの集まりで、こうした人々に支配された業界だという印象が広がっていることに、憤りを覚える。私たちは、この偉大な表現メディアに仕える人々の大多数は、私たちのような人々だと信じている。しかし残念なことに、この業界の多数派である私たちのような人々は、これまで組織化されないままだった。これはほとんど避けられないことだった。個人の自由と権利を愛しているというまさにそのことが、この業界の大多数である私たちのような人々が、組織化をためらう原因になってきたのだ。しかし今や私たちは、組織化をためらってはならない。もし私たちがためらえば、この「地上で最後の、最大の希望」を、私たちは惨めに失うことになるだろう。 アメリカ人である私たちには、改めて提示するような新しい計画はない。私たちは、新しい計画を実現したいわけではない。私たちの、この計り知れないほど貴重な伝統を、その敵たちから守りたいだけなのだ。すなわち、これまで人類が手にした中で最も不足のない生活と最も豊かな表現を、この国の人々が楽しむことを可能にしたこの自由を。そしてこの危機的状況にあって、この闘いでの勝利を他のどんな要素よりも可能にする努力を育てたこのシステムを。 映画産業に従事する私たちは、特別な責任を自覚し、担わなければならない。映画は、国内だけでなく世界中の人々の思考や見解に影響を与える、この世で最も大きな力の一つだ。この事実は、厳粛な責務を伴う。私たちは、共産主義者、ファシスト、その他の全体主義的な思想を持つグループが、この強力なメディアを悪用して非アメリカ的な考えや信仰を普及することを、決して容認しない。私たちは誓う。映画が忠誠を尽くす対象を、映画を生んだ自由な国アメリカ以外に向けようとするいかなる集団・個人の運動とも、組織的指揮の元に置かれたあらゆる手段をもって、私たちは闘うと。そしてアメリカ的なシーンを、その規範と自由を、その信念と理想を、私たちが知るままのあり方で、私たちが信じるままのあり方で、スクリーンに提示するために、あらゆる手段で私たちの努力を捧げると。
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