巻第二
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巻第二
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2-1 2-2 2-3 2-4 2-5 2-1(第十 豆狸)豆狸(まめだぬき) 「小雨ふる夜(よ)は陰嚢をかつぎて肴(さかな)を求めに出(いづ)るという」(小雨の降る夜は陰嚢をかついで、酒の肴を買いに出たという) 挿絵には笠や雨合羽のように陰嚢(タヌキは「狸の金玉八畳敷き」などと言われ、陰嚢を大きくすることが出来ると考えられていた)をかついだ姿が描かれている。本文には元禄ころに魯山という俳諧師が狸に化かされた話を記している。 2-2(第十一 山地乳)山地々(やまちち) 「このもの人の寝息をすいあとにて其人(そのひと)の胸をたたくとひとしく死するとなりされどもあいねまの人目をさませばかへりて命ながしといふ奥州におほく居るよしいひつたふ」(これは人の寝息を吸い、その後でその人の胸を叩く。するとその人は必ず死ぬという。しかしながら、同じ寝間にいる人が目を覚まして気づいた場合、寝息を吸われていた人はかえって長寿になるという。陸奥に多くいると言い伝えられている) 本文では、コウモリが年をへて野衾(のぶすま)になり、野衾がまた年をへたものが山地乳になると説いている。また、山地乳のせいで死んだというひとも寿命がのびたというひとも実際には見聞きしたことはないとしている。 2-3(第十二 柳女)柳おんな(やなぎおんな) 「若き女の児(こ)をいだきて風のはげしき日柳の下を通りけるに咽(のど)を枝にまかれて死しけるが其(その)一念柳にとどまり夜な夜な出て口をしや恨めしの柳やと泣けるとなん」(子供を抱いた若い女が風の激しい日に柳の下を通ったところ、柳の木の枝が喉首に巻き付いて死んでしまったが、以来、女の念はその柳の木に留まり、夜な夜な現れ出ては「口惜しい、恨めしい柳め」と言って泣くという話だ) 2-4(第十三 老人の火)老人の火(ろうじんのひ) 「木曽の深山(みやま)にや老人の火といふ物あり是を消さんとするに水をもつて消(けせ)共更にきへず畜類の皮を以て消ば老人とともに消るといへり」(木曽の深い山奥に老人の火というものがある。この火を消そうとしても水をつかっただけでは消えない。獣の皮で消せば老人と共に消えるという) 2-5(第十四 手洗鬼)讃岐の手洗い鬼(さぬきのてあらいおに) 「讃州高松より丸亀へかよふ入海(いりうみ)あり其間の山々三里をまたげて手をあらふものあるよし名はいかがにや知らずただ讃岐の手あらひ鬼といふ」(讃岐の国の高松から丸亀に入江があり、そこをはさんで三里(約12km)にある山々をまたいで手を洗うものがいるという。名前を何というのかは知らない。ただ讃岐の手洗鬼という) 2-6 2-7 2-8 2-9 2-6(第十五 出世螺)出世ほら(しゅっせほら) 本文には山と里と海にそれぞれ三千年住みついて龍に出世してゆく法螺貝であると記されている。 2-7(第十六 旧鼠)旧鼠(きゅうそ) 本文には大和の国の志貴にいた猫を食べるという三毛の鼠の話を記している。また、出羽の国にあったという子猫が旧鼠(ふるきねずみ)の乳をのんで育ったという話を最後に載せている。 2-8(第十七 二口女)ふた口おんな(ふたくちおんな) 「まま子をにくみて食物をあたえずして殺しければ継母の子産れしより首筋の上にも口ありて食をくはんといふを髪のはし蛇となりて食物をあたへまた何日もあたへずなどしてくるしめるとなんおそれつつしむべきはまま母のそねみなり」(継子(ままこ)を憎んで食べ物を与えずに殺してしまった継母がいたが、その女が子を産んだとき、女の首筋の上には「物を食いたい」と言う口が生まれた。女の髪は毛先が蛇に変わって首筋の口に食べ物を運び与えるようになった一方で、首筋の口に何日も食べ物を与えないことで女を苦しめるようにもなった。怖れ慎むべきは継母の嫉みそねみというものよ) 2-9(第十八 溝出)みぞいだし 「ある貧人の死したるをすべきやうなければつづらに入(いれ)て捨(すて)たりしに骨と皮とおのづから別(わかれ)て白骨つづらを破りておどりくるひしとぞ」(ある貧しい人が死んでしまったのを、しかたなく葛籠つづらに入れて捨ててしまったところが、死体の骨と皮がおのずから分かれて、白骨が葛籠を破って外に飛び出し踊り狂ったという) 本文には鎌倉時代に戸根八郎(とねのはちろう)という武士が死んだ家来の遺体を負櫃(おいびつ)に詰めて由比の海に捨てたのちに、その家来の骸骨が起こした不思議な因縁話を記している。
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