南部七戸小田子不動堂奉納絵馬とは? わかりやすく解説

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南部七戸小田子不動堂奉納絵馬

名称: 南部七戸小田子不動堂奉納絵馬
ふりがな なんぶななへこだっこふどうどうほうのうえま
種別 信仰用いられるもの
員数 108
指定年月日 1990.03.29(平成2.03.29)
所有者
所有者住所
管理団体名: 七戸町
備考 絵馬108
解説文: わが国には、古くから、大絵馬・小絵馬などを有名社寺や身近の社寺奉納し神仏加護すがって生業繁昌人生無事息災などを全うしようとする習俗全国的に見られる。この慣わしは現在にも継承されており、社寺参拝して絵馬を買い、思い思い祈願をこめて奉納することが行われている。
 絵馬奉納対象ともなってきた南部七戸小田不動堂七戸町中心部近く位置する南部政光【なんぶまさみつ】により見町観音堂同時代ごろに創建されたものと信じられている。本尊運慶作の不動明王像伝えられている。明治初期頃までは、この不動明王取子【とりこ】にして身体の弱い幼児育て習俗があった。その縁日である正月三日は、参詣人々によって賑わいをみせたという。
 この不動堂奉納され現存する絵馬一〇八点である。そのうち紀年銘確認できる絵馬九一点ある。その大部分十七世紀中葉から十九世紀中葉までの江戸時代奉納されたものであることが確認できる絵馬図柄は馬を描いたものが最も多く、九二点ある。粗略なの上に墨、胡粉、丹、黄土白緑群青などを用いて描かれている。馬は、単色黒馬赤馬彩ったものの点数多く白馬白黒馬のものは比較少ない。構図は、馬を左向き見返り風に描き山形の板の左右両端縦線引いて見立て下方一端斜線入れて床板を表わし、上方の隅の二本斜線を描くなど、いわゆる右衛門の小絵馬」として知られるつなぎ馬飾り馬など一定形式の小絵馬が多い。馬以外の図柄には、本尊である不動明王持ち物象徴する宝剣や、安産幼児健やかな成長祈願する武者などを描いたものがある。奉納者は、現在の上北地方の政治文化の中心地であった七戸集中し、(かつ判明している限りでは)その内訳は、所給人が八割以上を占めている。しかも、その奉納には、縁日正月三日因む月日記されたものが多く絵馬の裏面に「叶【かのう】」の一字大書されているものが全体の約四割を占めている。
 この奉納絵馬は、南部七戸小田不動堂をめぐる庶民信仰実態推移理解する上で貴重であるばかりでなく、南部七戸見町観音堂奉納物件と、両者相まって良馬産地として古くから著名だった南部地方における江戸時代絵馬奉納特色を示すものとして、量・質ともに優れた東北地方奉納絵馬代表的なものとして重要である。
 よって重要有形民俗文化財指定し、その保存図ろうとするものである



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