北アンデス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 02:05 UTC 版)
アンデス山脈の始まりはベネズエラ北部、トリニダード島に近いカリブ海沿岸である。アンデス山脈は、ここからほぼ東西にベネズエラ高地として伸びる。ベネズエラの首都カラカスもこの高地の中に存在する高原都市である。カラカス周辺以西のベネズエラ高原は気候がよく人口稠密地域となっており、東から西にカラカス、マラカイ、バレンシア、バルキシメトといった都市が点在する。やがてベネズエラ高地は南西に向きを変え、メリダ山脈となる。メリダ山脈はメリダ、サン・クリストバルといった都市がある。この山脈はコロンビアにも続き、コロンビア東部山脈となる。コロンビア国内のアンデス山脈はこの東部山脈のほか、中央山脈と西部山脈があり、このに3つの山脈が北から南へ並走する形となる。この3山脈間には深い谷が刻まれており、東部・中央両山脈間にはマグダレナ川、中央・西部両山脈間にはカウカ川がそれぞれ南北に流れ、両河川は合流したのちカリブ海へと注ぐ。こういった地形のため、ボゴタやメデリンといった主要都市から太平洋岸へと輸送を行うには4000m級の山脈を1つまたは2つ越えなければならず、経済の大きなネックとなっている。また、こういった起伏に富んだ地形のため、コロンビアの治安は行き届いているとは到底言えず、各地にゲリラや武装勢力の跳梁を許す一つの理由となっている。 東部山脈にはベネズエラとの国境に位置するククタのほか、ブカラマンガやトゥンハといった都市があり、中部にはコロンビアの首都ボゴタを擁するクンディナマルカ高原(海抜約2,600m)がある。中央山脈にも、主に中腹にコロンビア第2の都市であるメデリンや、マニサレス、アルメニア、ポパヤンといった都市があるが、西部山脈内には目立った都市はない。しかし、カウカ谷にはコロンビア第3の都市であるカリ市があり、この3山脈と間のマグダレナ・カウカ両河谷をあわせた地域はアンデス地域と総称され、コロンビア人口の大半が居住する経済の中心となっている。この3つの山脈は、コロンビア南部のコロンビア山塊で中央・東部両山脈が合流し、さらにコロンビア南端のロス・パストス山塊で西部山脈をも併せて、一本の太い山脈となる。この地域にはパスト市がある。 エクアドルではアンデス地域はシエラ(山地)と呼ばれ、オリエンタル・オクシデンタルの両山脈に別れて南へ伸び、エクアドルの首都キトやクエンカなどの都市が位置する。キト盆地(海抜約2,800m)も古くからの集住地である。キトで赤道を越えるが、この付近には4,000mを越える稜線の上にチンボラソ(6,267m)や、世界最高の活火山であるコトパクシ山(5,897m)などたくさんの火山が噴出している。ペルーからエクアドルにかけての国境付近でアンデスはいったんやや高度が低くなる。ここまでは北アンデスとも呼ばれる。北アンデスには高原や肥沃な谷間が点在し、人口密度は高い。エクアドルは、このアンデス山地地方(シエラ)と、海岸地方(コスタ)の二つの地区の勢力が拮抗している。
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