助詞・その他とは? わかりやすく解説

助詞・その他

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 07:21 UTC 版)

山口弁」の記事における「助詞・その他」の解説

山口方言特徴的な助詞およびその他の品詞は多数あるが、主要なものは次のとおり。 接続助詞「でも」 打ち消し逆接仮定条件を表す接続助詞「-でも」共通語「-しなくても」)は、(1)動詞未然形+打消助動詞「ん」+「でも」、(2)動詞未然形語尾長音化)+「でも」、(3)動詞未然形+打消助動詞「い」+「でも」の形で用いられる。[用例] (1)行かん-でも、(2)行かー-でも、(3)行かい-でも(いずれも「行かなくても」の意)。 接続助詞「やー」 仮定条件を表す接続助詞「やー」共通語「-ば」)は、動詞仮定形接続し動詞語尾融合して拗音化する。そのため、山口方言動詞仮定形はすべて拗音化している。元は共通語同じく「-ば」の形だったが、音韻変化により「-やー」になった考えられる。[用例] 行き-ゃー(行けば)、見り-ゃー(見れば)。 接続助詞「けえ」 理由の接続助詞共通語「-から」「-だから」)は、他の中国方言同様に「-けえ」が盛んに用いられるこの他、「-からに」「-けに」「-けん」「-から」が見られる副助詞「なぇーと」 軽い提示例示を表す副助詞共通語「-でも」「せめて-なりとも」「せめて-ぐらい」)として、「なぇーと」が用いられる室町時代末期から江戸時代にかけて頻用された副助詞「-なりと」の「り」がイ音便化したもので、現代共通語ではほぼ消滅したが、山口方言では「なぇーと」の形で残存している。[用例] なぇーと飲みーさん(でも飲みなさい)。 間投助詞「のんた」 周防方言代表的な間投助詞「-のんた」は、「のー、あんた」が短縮したもので文末用いられ、「-だよね」「-ですよね」という親愛強調念押しを表す。下関豊浦方言(豊関方言)には見られない俗に周防方言を「のんた弁」ともいう。「-のーた」「-ねーた」「-うんた」「-んた」の形をとることもある。[用例] よーおいでました-のんた(よくお越しなりましたですねえ)。 終助詞「の」 強調念押し詠嘆を表す終助詞に「-の」がある。しばしば「-のー」と長音化する。他の中国方言共通した終助詞である。[用例] そりゃいけん-のー(それはダメだよ)、それい-のー(そうだよなー)。 終助詞「で」 念押し断定勧誘を表す終助詞に「-で」がある。共通語の「-ぜ」とほぼ同じ働きをもち、ザ行ダ行の子交替により「-ぜ」→「-で」と変化した考えられている。[用例] 来ちゃいけんで(来てはいけないぞ)、こりゃすごいで(これはすごいなあ)、はよ行こうで(早く行こうよ)。 終助詞「い」 念押し強調を表す終助詞「-い」山口方言特徴的に見られる助詞である。後ろに他の終助詞「や」「ね」「の」を伴うことが多い。明確に「い」発音されるよりも、軽く「ぃ」と発音される傾向が強い。[用例] それ-い-ねそうなんだよ)、やります-い-ね(やりますよ)、そりゃそれ-い-のー(そりゃそうだよなー)。 終助詞「-い」は、動詞連用形の後に接続する命令表現となる。「-い」の持つ念押し強調の意が動詞適用され命令を表すようになった考えられている。下一段活用動詞場合連用形語尾エ列音となるため、「-い」連母音融合起こして「-えー」と長音化する。[用例] 歩き-い(歩きなさい)、食べー(食べなさい)。 終助詞「わー」 軽い強調感情表現として終助詞「-わー」がある。後ろに他の終助詞「や」「ね」「の」を伴うことが多い。「わー」の「w」音が脱落して直前語尾融合する現象もよく見られる。[用例] 負けちょる-わー-やー、負けちょ-らー-やー(いずれも負けてるのかよー」の意)。 終助詞「ちゃ」「ちゃー」 山口方言特徴と言うべき終助詞「-ちゃ」「-ちゃー」であり、念押し呼びかけ強調断定を表す。直前の語との間に促音をはさむことも多い。山口県から北九州市大分県宮崎県にかけて頻用されているほか、仙台弁でも多用されることが確認されている。[用例] それ-っちゃ(そうだよね)、よお-っちゃ(おい)、いけん-ちゃー(ダメだぞー)、食べり-っちゃ(食べなよ)、始まる-っちゃ(始まるぞ)。 準体言助詞「そ」 準体言助詞「-そ」山口方言独特な助詞である。事物・場所・人などを抽象的かつ指示的に表す語であり、体言性を強く持つ。「それ」の語幹の「そ」から由来した語と考えられている。「-そ」の同義語として、豊関・美祢方言では「-と」が用いられることもある。[用例] あの-そ(あれ・あのことあの人)、最初の-そ(最初のもの)、丸い-そ(その丸いもの)。 終助詞「そ」「ほ」 前述準体言助詞「-そ」は、その指示的な性格から強調を表す終助詞「-そ」としても使用されている。サ行ハ行の子交替により「-ほ」となることも多い。「-そ」は山口県中部で、「-ほ」は山口県西部使用される傾向見られる。「-そ」「-ほ」が上がり調子となるときは、疑問を表す。[用例] 行く-そ(行くんだよ)、やな-そ(嫌なのよ)、これ書いた-そ!(これ書いたよ!)、ええ-そ?(いいの?)、そうな-そ?(そうなの?)。 感動詞「それ」 同意驚嘆を表すのに頻用されるのが、感動詞「それ」である。成年上の会話頻出し大人言葉としての性格見られるとされる。ただし、こそあど言葉としての「それ」も存在する。[用例] それ-っちゃ(そうだよ)、それ-それそうそう)、それ-いねそうなんだよ)、それ-ぁー-それ(それは確かにそうだ)。

※この「助詞・その他」の解説は、「山口弁」の解説の一部です。
「助詞・その他」を含む「山口弁」の記事については、「山口弁」の概要を参照ください。

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