副雑音とは? わかりやすく解説

副雑音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 07:19 UTC 版)

聴診」の記事における「副雑音」の解説

連続性ラ音 ロンカス、低音性ラ音、いびき様音 低調音「ボーボー」、中枢気管支できくことができる。呼気相、吸気両方聞くことができる。咽頭から気管支までの比較的太い気道狭窄があることを示す。狭窄炎症腫瘍分泌物貯留考えられるウィーズより低音性である。咽頭から、主気管支までの閉塞ないし狭窄があることを示す所見であり、この部の炎症分泌物貯留)、異物腫瘍などが原因となる。肺水腫の際にも認められるが、この際吸気のみならず呼気にも聴かれることが多い。 ウィーズ、高音性ラ音、笛様音 高音性「ヒューヒュー」、末梢気管支できくことができる。細い気管支狭窄があると聞くことができる。狭窄気管支喘息炎症腫瘍などが原因気道内の分泌物貯留することによって起こる。→気管支喘息 気管支喘息患者特徴的なラ音とされている。肺野全体聴かれ頸部最強点がある。気管支喘息以外にも、腫大リンパ節縦隔腫瘍による、外部からの圧迫気管支癌、滲出物や粘膜炎症による気管支内腔狭窄によって、聴こえるびまん性の肺疾患の代表である気管支喘息では病状重症化とともに音の数が増加するが、さらに重症になると気道閉塞ししまうた音の数が減少し聞こえなくなってしまうこともある。昔からの名言に「喘息患者の胸が静かなのは必ずしも好ましい徴候ではなく、むしろ患者疲れて閉塞した気道から空気排出できないのだ」というものがある。必ず全身状態確認して文脈作ろうバイタルサイン動脈血液ガス検査もみよう。なお、メタコリン負荷中に喘鳴あらわれると気管支喘息が非常に有意になる。ウィーズ努力をすれば聞けてしまうことがあるので注意が必要である。 スクオーク、吸気性変調音 ウィーズよりもさらに高音性「ヒュゥ、ヒュゥ」、より末梢聞くことができる。ほとんどが吸気相で聞こえる。粘稠分泌物があることを示している。吸気時の急激な陰圧による気管支径、および、吸気流速急激な変化で起こると考えられている。しばしばクラックルを伴う。びまん性汎細気管支炎過敏性肺臓炎聴取されることがあるストライダー、狭窄音、吸気時喘鳴 中枢気管支聞こえる、高音性の連続音。ほとんど吸気相、頸部聞こえる。太い気管支の腫瘍性狭窄よるもの考えられている。音響学的には以下の2点除きウィーズと同じである。ストライダー吸気時に限られるが、ウィーズ呼気時だけまたは呼気時と吸気時に発生するストライダー頸部強く聴取されるが、ウィーズは常に胸部強く聴取される。上気道閉塞があるとストライダー患者開口して早い呼吸をしないと現れないことがあるストライダー気道幅が5mm以下であることを示している。ストライダー上気道閉塞示唆する所見であり、聴取した場合緊急事態である。 補足 連続性ラ音場合音の数が狭窄部位を示すため、疾患推定には音の数と性質単音性と多音性)が重要である。肺癌などでは単音声が多い。また、連続音がどの呼吸相のどのタイミング聞こえるのかを注意深く聴診する必要がある断続性ラ音クラックル) ファインクラックル(捻髪音) 細かい、高音性、短い「パチパチバリバリ」という硬い音。吸気終末期聞こえる。すなわち、十分に息を吸わせないと聞こえないことがある肺胞間質肥厚によって閉じやすく、開きにくい(コンプライアンス低下した肺胞が開く音である。吸気時に胸腔内圧陰圧にとなり、正常な肺胞開いた後で一気障害され肺胞が開く時に聞こえということである。間質性肺炎特発性間質性肺炎マイコプラズマ肺炎クラミジア肺炎過敏性肺臓炎)などで聞かれる特発性間質性肺炎などでは肺底部好発するため、背部からでないと聴取されないことがある。また体位により音が変化し坐位で下肺野に明瞭に聴取される。急性の間質性肺炎では細かい典型的なファインクラックルを聴取できる。一方肺線維症重症化し、蜂窩肺になると、障害され肺胞繊維化癒合化し呼気閉じなくなり、やや粗いファインクラックルとなる。 コースクラックル水泡音) 粗い、低調音、やや長いパチパチ」とした鈍な音である。吸気相の初期から、呼気相の初期まで続く。気道内に液体様物があり、呼吸伴って破裂する音である。肺水腫肺炎気管支拡張症気道分泌を伴う炎症疾患慢性気管支炎びまん性汎細気管支炎)などで聴かれことがある。やや粗いファインクラックルとの鑑別困難なことが多いが音の性状タイミング違い区別をする。 クラックルのEBDについて 以下に述べクラックル患者が咳をした後でも残るクラックルだけとする。クラックル存在すれば、アスベスト労働者肺線維症心疾患患者でも左房上昇、咳と発熱がある患者では肺炎肯定する所見となる。クラックル特発性肺線維症100%認められサルコイドーシス線維症ではわずか20%に過ぎないので、クラックルなければ特発性肺線維症否定的となる。仰臥位認められ坐位では消えてしまうクラックル体位クラックルという。心筋梗塞後に体位クラックル所見があれば、肺動脈楔入圧の上昇と予後不良示唆される

※この「副雑音」の解説は、「聴診」の解説の一部です。
「副雑音」を含む「聴診」の記事については、「聴診」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「副雑音」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「副雑音」の関連用語

副雑音のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



副雑音のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの聴診 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS