前橋・高崎都市圏および群馬県中北部
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「北関東」の記事における「前橋・高崎都市圏および群馬県中北部」の解説
前橋・高崎(両市計約70万人、人口密度約1,090人/平米)は関東平野の北西端に位置し、群馬県の行政・商業・産業の中心となっている。前橋・高崎都市圏は平成の大合併により山間地域を合併したため人口密度は下がったが、旧前橋・旧高崎地域は15km圏内の市街地で充墳され、前橋・高崎都市圏を形成している。隣接する前橋市・高崎市・伊勢崎市・藤岡市・富岡市・安中市・渋川市及びその周辺自治体の人口は約120万人。 一方、北部一帯は谷川岳に代表される峻険な山岳地帯となっており、その湧水は当地域の殆どの人口が集中する利根川流域に結集する。この南部平地部と北西部山岳部では気候も全く異なり、前者の冬の平均月最低気温が-1.0度程度で最深積雪も殆ど無いのに対し、後者では気温-8.0度、積雪2m以上に達する気象庁観測点も存在する。 人口密集地域が限られるため、公共交通網整備は比較的効果的に行き届いており、道路では関越自動車道や北関東自動車道、国道17号、国道18号、国道50号、鉄道では高崎線、信越本線、上越線、両毛線、八高線、吾妻線、上毛電気鉄道上毛線などが整備されている。 この地域は古くは毛野国に、また令制国時代にはこれを分かった上野国に属した。国府は車郡(群馬郡)に置かれていたとされる。平安時代初頭、上野国は常陸国(茨城県中北部)等とともに親王任国とされ、その親王の子孫である平氏が土着したとされる。白井長尾氏や総社長尾氏、沼田氏、安中氏などがその後裔といわれ、同一県内でも藤原北家流諸氏や清和源氏流諸氏の輩出が多い太田市や桐生市周辺とは対照的である。 この地域は北部山岳地帯を中心に関東の北の温泉場として著名であり、観光開発が施されている。温泉場の数は伊香保温泉、四万温泉、草津温泉、水上温泉、猿ヶ京温泉など200を越し、特に草津温泉は日本一の自噴湧出量を誇る名湯とされる。一方、首都東京からの交通の便は決してよいとは言えず、草津温泉の場合、上野駅からJRの在来線特急で約2時間30分の長野原草津口駅からさらに路線バスで20~30分かかり、また直行高速バスでも新宿駅から3時間30分以上かかり、車利用でも関越自動車道の渋川伊香保ICから約50kmの山道を行かねばならない。同じ北関東の温泉場である鬼怒川温泉(新宿駅から電車で2時間)や塩原温泉(東京駅から新幹線で1時間20分の那須塩原駅から路線バスで1時間)、那須温泉(同)に比較しアクセスしにくい状況もあり、近年では誘客が芳しくない。 産業は農業が非常に盛んであり、前橋市の農業産出額は約300億円に達し、次いで嬬恋村も100億円以上を産する。工業は北関東工業地域の一端にあり、年間製造品出荷額は高崎・前橋だけでも1.2兆円を超える。年間商品販売額は高崎・前橋だけでも群馬県内の総販売額の50%以上を占める。
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