初の幕内最高優勝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 23:57 UTC 版)
2021年1月場所は先場所西前頭2枚目で10勝を挙げるも、御嶽海以外の三役力士が全員勝ち越し、その御嶽海も関脇で7勝8敗と1点の負け越しで小結にとどまったため大栄翔は1枚だけ上昇の西前頭筆頭として迎えることとなった。その初場所は初日から三役力士を総なめして7連勝。翌日も西前頭6枚目の輝を下し自身初の中日勝ち越しを決める。しかし翌日には好調だった東前頭2枚目の宝富士に黒星を喫し連勝が止まる。翌10日目の北勝富士戦には勝利し連敗はしなかったが、11日目阿武咲戦では相手のいなしにまともについていき2敗を喫しこの時点で正代に並ばれてしまう。しかし14日目に正代が照ノ富士に敗れたことにより再び単独先頭となり、千秋楽を迎えることとなった。そして迎えた千秋楽、勝ち越しをかける西前頭5枚目の隠岐の海との対戦が組まれ立ち合いから一気に突き出し悲願の初優勝を決めた。追手風部屋からは初の幕内最高優勝。そして埼玉県出身者からも初の優勝者ともなった。千秋楽の取組前に自身3度目の殊勲賞の獲得が決定し、この場所を優勝するという条件付きで受賞が認められることとなっていた 技能賞も自身初の獲得となった。賜杯を抱いた感想を「あんなに重いものだと思っていなかったので、ビックリした」と述べ、技能賞獲得に対して「自分は技能とはかけ離れた相撲だと思っていた」と自ら意外の感を口にした。2月3日、地元の埼玉県朝霞市役所に表敬訪問を行い、富岡勝則市長から「市民体育賞特別賞」を授与された。5日、母校の埼玉栄高に表敬訪問を行った。同校相撲部の山田道紀監督は「高校に入った時にはまさかこうなるとは思わなかった。でも辛抱強かった。おとなしい子だったけど、嫌な顔をせずに四股やテッポウをコツコツやって3年で花開いた」と大栄翔の高校時代を振り返った。 大関昇進への足掛かりが期待された3月場所は初日から4連敗。中日に大関・朝乃山、その翌日には大関・正代を破るなど先場所優勝の力を後半に見せつけるも最終的には8勝7敗となった。 5月場所では、9日目に大関・貴景勝を破る活躍を見せるものの、黒星が先行する苦しい土俵となり、12日目に負け越しが決まり、最終的に6勝9敗となり期待されていた大関昇進の夢は儚く消えた。 7月場所は西前頭筆頭と1枚だけしか下がらないという番付運に恵まれるものの初日から三役力士との連戦に屈し、若隆景以外の三役力士には全て敗れて1勝7敗で中日を終え、それ以降も勝てたのはこの場所同じく上位に苦戦した千代大龍や琴恵光らのみで結局5勝10敗と二桁敗戦でこの場所を終えた。 9月場所では9日目に新横綱の照ノ富士に勝利し自身3つ目の金星獲得と同時に照ノ富士の横綱昇進後初勝利第一号、照ノ富士の初金星配給、照ノ富士の初日からの連勝ストップと記録づくめの1番となった。最終的に10勝5敗と優勝した初場所以来の2桁勝利で終え、前述の照ノ富士への勝利が評価されてこの場所は自身4度目の殊勲賞獲得となった。
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