分裂の時代と再統一後の建築活動とは? わかりやすく解説

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分裂の時代と再統一後の建築活動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 19:57 UTC 版)

ビザンティン建築」の記事における「分裂の時代と再統一後の建築活動」の解説

ビザンツ諸公国のうち最も活動的であったニカイア帝国は、多く建築建立したが、そのほとんどは現在には残っておらず、確実なとはいえない。 ニカイア帝国勢力競ったエピロス専制侯国は、王室活発な建築活動認められ洗練された建築物とは言えないものの、礼拝堂建築数多く残る。アルタにはエピロス建築傑作とされるパリゴリティサ聖堂があり、その近郊にはカト・パナギア聖堂1231年)やブラケルネ修道院トリカラにはポルタ・パナギア聖堂1283年)がある。エピロス王室はシチリア島ホーエンシュタウフェン家やヴィルアルドゥアン家との婚姻関係があり、これらの建築には西欧風の特色認められるこのためエピロス建築革新的なものが多いが、ニカイア帝国との争い破れ消滅してしまったために、その建築最末期ビザンティン建築継承されることはなかった。 トレビゾンド帝国には、首都トレビゾンド皇帝マヌエル1世によって建設されハギア・ソフィア修道院のカトリコンが現存している。グルジア王国影響受けた平面構成認められるが、グルジア王国ルーム・セルジューク朝挟まれたこの帝国その他の建築活動については、あまり研究されていない1261年ニカイア帝国によるコンスタンティノポリス奪回後、コンスタンティノポリスではビザンティン文化最後開花したいわゆるパレオロゴス朝ルネサンス」である。しかし、この時期建設され教会堂は、中期ビザンティン建築伝統墨守したものであって、他の文化活動見られるような初期ビザンティンの、ましてや古代ローマ伝統復興させるようなものではなかった。コンスタンティノポリスでの建築活動1261年から1330年ごろまでのわずかな期に認められるのみで、以後は完全に停滞したミカエル8世皇妃テオドラ開設したコンスタンティノス・リプス修道院南聖堂1280年代建立思われ既存の北聖堂拡張するように建設され円蓋バシリカに近い聖堂である。1310年着工されたパナギア・パンマカリストス修道院付属礼拝堂は4円柱式の教会堂で、外観はほとんど立方体近くバルカン半島認められる模様積みなどは認められない。これらの聖堂は、ほとんどが単純な矩形面であり、外部デザイン優先してドーム多くかつ高く設計しているため、内部空間には広がりがなく、井戸の底にいるかのような印象を受ける。そして、恐らくほかのよく残存している教会堂同じく内部説話に基づく絵画覆われていた。 1316年起工したコーラ修道院は、政治家テオドロス・メトキテスによって既存教会堂改築したのである建築的見るべきものは何もないが、内部フレスコ画末期ビザンティン美術傑作といわれている。コーラ修道院代表されるパレオロゴス朝壁画では、写実性の向上と、初歩的ではあるものの遠近法発達認められ、これが後に西欧ルネサンスに繋がるとされる由縁となっている。 パレオロゴス朝皇子達が封じられモレアス専制公領首府置かれペロポネソス半島実効支配したミストラ城塞都市は、現在では完全な廃墟であるが、末期ビザンティン都市景観をもっともよく遺している。ミストラ宮廷周囲フランク諸公国との婚姻関係もあったため、宮殿建築には西欧風の要素認められるミストラ宮殿1250年ごろから1350年ごろ、1400年ごろ、1460年ごろの3期わたって建設され、その構造体には尖頭アーチの窓、リブ・ヴォールトといったゴシック建築要素散見する宮殿内部装飾残っていないため明確ではないが、全体としてビザンティン建築伝統ではなく西欧宮殿建築影響の方がむしろ強い。 末期東ローマ帝国時代建設され修道院としては、聖アタナシオス創建したメテオラがある。もっとも古いイパパンティ修道院1366年建設され1388年にはメテオラ最大となるメガロ・メテオロン(メタモルフォシス修道院)が建立された。東ローマ帝国滅亡1453年)後も、14世紀から18世紀にかけて、さらに5つ修道院建設されている。

※この「分裂の時代と再統一後の建築活動」の解説は、「ビザンティン建築」の解説の一部です。
「分裂の時代と再統一後の建築活動」を含む「ビザンティン建築」の記事については、「ビザンティン建築」の概要を参照ください。

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