冬康の殺害に関してとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 冬康の殺害に関しての意味・解説 

冬康の殺害に関して

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 06:59 UTC 版)

安宅冬康」の記事における「冬康の殺害に関して」の解説

冬康の殺害に関する経緯理由については諸説ある。 山科言継自身日記言継卿記』にて、冬康に逆心があったゆえに殺されたようだ(「逆心悪行」)、と、伝聞の形で書き記している。 多く民衆松永久秀策動背景にあったことを信じて疑わなかった。例えば『続応仁後記』『三好別記』などの史料には、冬康の死因確実に久秀の讒訴原因による謀殺であると記されており、久秀は「逆心聞こえあり」「謀反野心あり」と長慶讒訴したという。十河一存三好実休・義興といった長慶兄弟嫡子相次いで死去して三好家中で同等かそれを凌駕する実力保有する者で残っていたのは冬康だけであり、久秀が冬康を除く事で主家乗っ取ろう考えても不思議では無かった一方で、『足利季世記』や『細川両家記』にも、冬康が讒訴によって殺されと書かれており、これらの史料記述も、冬康が久秀の讒訴殺されたとする根拠とされているが、この2つに関しては、「何者かの讒訴によって、冬康は長慶殺害された」としか書かれておらず、久秀が関与したとは一言書かれていない。 この晩年長慶鬱病罹患したという観点から冬康謀殺考察する見解もある。三好長慶研究もしている介護士諏訪雅信は、「鬱病末期症状による被害妄想原因とした殺害」「集団自殺心中」という2つ見解提示している。「被害妄想原因とする殺害」は、長慶病状悪化するにつれ、兄弟の中で唯一の生存者となっており、人格者として慕われていた冬康に人々人望集まり、それが長慶には「冬康が家臣達を糾合して自分殺そうとしている」ように映った、というものであるもう一つの「集団自殺心中」説は、鬱病自殺に強い因果関係があり、また鬱病による自殺は時々心中の形となって現れ、その犠牲になるのは多く身内である、ということ着目した見解であり、三好家惣領として、天下人として自分無力さ絶望感じた長慶が、冬康を道連れにして殺害し、自らも食を絶って餓死した、というものである。ただし提唱者である諏訪自身は、これら2つ見解自分自身こじつけによる解釈だと注意書きしている。 また、長慶この頃、重い病によって判断力低下していたと考えられる殺害後に冬康が無実であること知った長慶は相当に後悔したといわれている。その後長慶精神病みうつ病であったといわれる)、そのまま後を追うように7月病死している。 長慶が自らの意思で冬康を殺害したという見解もある。弟の十河一存、実休、嫡男の義興に相次いで先立たれ長慶親族有力者は冬康一人になっていた。思慮深い性格もあって、冬康への人望一層のこと強くなっていったそのこともあって、後継者三好義継巡り軋轢疎隔生じたではないかとも指摘されている。冬康本人が、義継への家督継承不服としていた可能性もあると指摘される天野忠幸は冬康殺害理由について断言はしていないが、冬康が義継の家督継承不服抱いていた可能性なきにしもあらず、と解説した上で、「例え冬康が無辜であっても自分死後、義継の地盤盤石になるためには、冬康を殺す必要があったのではないか」と指摘している。長江正一は、長慶は義継の将来のためにも冬康の処遇について考慮しなければならなかったと指摘する長江正一は、最終的に粛清という結末になってしまった結果鑑み長慶と冬康の関係・及び両者地位源頼朝源範頼足利尊氏足利直義豊臣秀吉豊臣秀次のそれに似ている指摘する。また今谷明は、冬康が粛清され直前三好政権末期における両者の関係を、悪い表現前置きした上で、「文化大革命末期における、毛沢東周恩来のよう」と評した天野忠幸長江今谷のように長慶と冬康の関係を他の歴史上兄弟直接比較はしていないが、織田信長死後織田信雄織田信孝織田秀信三法師)、並びに彼らを後援する柴田勝家豊臣秀吉らの間で内紛起こった事例例えこのような事態が起こることを防ぐ為に長慶は冬康を粛清したのではないか、という見解出している。

※この「冬康の殺害に関して」の解説は、「安宅冬康」の解説の一部です。
「冬康の殺害に関して」を含む「安宅冬康」の記事については、「安宅冬康」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「冬康の殺害に関して」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「冬康の殺害に関して」の関連用語

冬康の殺害に関してのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



冬康の殺害に関してのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの安宅冬康 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS