修道院付属教会の特色
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「サン=サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会」の記事における「修道院付属教会の特色」の解説
教会はロマネスク期の教会の規則どおり、ラテン十字型に設計された。十字はエルサレムからの光である日の出を指すように東向きになっている。尖塔は長さ76メートル、高さ77メートル、翼廊は長さ31メートルである。 内部は12世紀から13世紀の壁画群で飾られている。よくフレスコ画と紹介されるが、フレスコ画とテンペラ画の中間的な技法で、壁面に直接絵具を塗る形で描かれている。使われている色はそう多くはなく、黄色いオークル、赤いオークル、緑と、それらに白や黒が混ぜられている。 ポーチ 壁画は風雨にさらされ部分的に損壊しているものの、そこに描かれた「栄光の内にあるキリスト」やヨハネの黙示録のエピソード(「大天使と獣の戦い」「イナゴの害」など)は見る者に強い印象を与える。 一般席 (tribune) 一般席は狭い階段でポーチとつながれているが、ここの壁画もかなり傷んでいる。というのは19世紀に修復されるまでステンドグラスが持ち去られたままで吹き曝しだったからである。"descente de croix" を描いた壁画のほか、使徒や聖人たちの肖像が描かれている。 身廊 建物の中枢をなす部分であり、長さ42メートル、幅17メートル、高さ17メートルの信徒たちの集会場だった。天井画が描かれているがその人物たちは2メートルほどの大きなスケールで描かれている。天井画は創世記や出エジプト記の情景を描いたもので、さながら大きな絵本のように読み進めるようになっている。その中には天地創造の物語やカインとアベルの物語のほか、エノクやノアの箱舟のエピソードを見出すことが出来る。ノアの箱舟は、この付属教会の壁画群の中でも最も有名な場面の一つである。ここで描かれている船は、さながらヴァイキングの船のようであるが、艪も帆もない。ほかに船から出たノアたちを神が祝福する場面やノアが酔いつぶれる場面、バベルの塔の建設、アブラハムの召命、アブラハムとロトの別れなどが描かれている。 身廊の柱頭 身廊の柱頭に描かれているのは、獅子やアカンサスの葉飾りであって、身廊の壁画群とは趣が異なっている。 地下納骨堂 聖サヴァンと聖シプリヤンの遺体が納められている。ここの壁画には二人の生涯と殉教の物語が描かれている。 内陣 通常の半円状ではなく多角形状になっており、19世紀に作られた小さな星模様で覆われている。そこには1050年に作られた祭壇が残る放射状祭室がある。 翼廊の祭室 北翼廊の祭室は大天使たちに捧げられ、南翼廊の祭室は使徒たちに捧げられている。 小後陣 (absidoles) 小後陣は北から南へ順に、乙女たち、殉教者たち、聖マルティヌスに捧げられている。
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