伝馬船で1800キロメートルを航行とは? わかりやすく解説

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伝馬船で1800キロメートルを航行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 21:39 UTC 版)

水谷新六」の記事における「伝馬船で1800キロメートルを航行」の解説

1897年6月15日水谷八丈島小笠原から雇い入れた労働者乗せて水谷発見した島に到着した労働者下船させた後、採取していたアホウドリ羽毛積み込んで6月30日出航したところ、船は岩礁激突して大破し沈没してしまった。水谷乗組員辛うじて船に備え付けられていた伝馬船乗り移り、島まで漕ぎつけて一命取りとめた。 水谷らは一命取りとめたものの危機的な状況には変わり無かった当時無線通信の手段がなく、船が難破して島から出られなくなったことを外部知らせる術はなかった。またグアムがまだアメリカ領となる以前のことで、近隣航行する船舶もほとんど無かった。 やがて島に置き去りにされた形となった労働者たちの中から、不満の声が聞こえようになった。まずは責任者水谷殺し、その次は誰それだなどという話を公言する者も現れだした。そのよう状況下で水谷伝馬船で島を脱出して小笠原諸島向かい救助求めることを決断する伝馬船大きさ長さ約6.7メートル、幅約1.5メートル深さ55センチメートルしか無い小舟である。これで太平洋乗り出して小笠原へ向かうという水谷提案に、当初他の者は尻込みした。しかし老水夫と若い水夫2名の計3名が、水谷と共に伝馬船乗り込みたいと申し出た。 まず伝馬船修理補強した上で帆を張り7月10日朝、水谷ら4名はビスケット干し肉干魚飲料水雨水貯める、そして旧式クロノメーター伝馬船積み込んで出航した出航時は好天であった午後から天候悪化し夕刻以降風波強まり伝馬船転覆しそうになり、船のコントロールままならず波に任せるしか無かった航行中船内絶え浸水があり、昼夜問わず水の汲み出し追われた。またクロノメーターガラス割れたため、海水浸されないように4名の乗員交替身に付けることになった。船の位置を測ってみると小笠原通り越してしまったことがわかり、伊豆大島目指すことにした。やがて食料飲料水少なくなり、頼り降らず乗員たちの生命危うくなってきた。後の水谷証言によれば木綿製のシャツまで食べたという。 7月28日には遠く島影見えたものの見失い7月29日もやはり島影確認できたものの近づけなかった。そこで進路を北にとって房総半島目指すことにした。7月30日午後房総半島山々確認され、やがて近く航行していた漁船救助され8月1日勝浦到着した。4名とも疲労困憊甚だしく救助され勝浦事情聞かれた際、当初口がきけなかった。南鳥島から勝浦まで約1800キロメートル伝馬船での航行であったこの伝馬船での約1800キロメートル航行快挙として各新聞取り上げられた。8月29日には市川喜七らが発起人となって水谷らの歓迎会東京開かれた歓迎会船団隅田川航行する形で始められた。船団楽隊乗せた伝馬船先導し続いて水谷ら4名が南鳥島からの航行時に使用した伝馬船にやはり航行時と同じ服装乗り込んだその後には万国旗などで飾られた8艘の伝馬船続き隅田川河畔には大勢見物人押し寄せたその後向島歓迎式典催され水谷多く賞状賞品授与され榎本武揚来賓水谷行動称えた。また日本海員掖済会船員模範として3名の水夫表彰し各人10円賞金授与した

※この「伝馬船で1800キロメートルを航行」の解説は、「水谷新六」の解説の一部です。
「伝馬船で1800キロメートルを航行」を含む「水谷新六」の記事については、「水谷新六」の概要を参照ください。

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