伊勢湾台風以降
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 00:31 UTC 版)
1959年(昭和34年)、伊勢湾台風が中部地方を襲った。名古屋市内の民間の貯木場や堀川などに係留されていた木材は高潮に流されて周辺の市街地へ流出、巻き込まれた家屋が破壊されるなど大きな被害をもたらした。この反省と名古屋港各地に点在していた貯木施設などを集約するために、1968年(昭和43年)、名古屋市外に西部木材港が作られ、白鳥貯木場周辺に集積していた木材業者の多くは拠点を西部木材港周辺へと移した。 その後、国内の天然林資源の減少や輸入材の台頭になどにより白鳥貯木場に集まる木材は減少、1979年(昭和54年)から順次、貯木場の用地の大部分は名古屋市へ売却、埋立てられて、一部は白鳥公園として整備が開始された。貯木場内には1986年(昭和61年)以降「暮らしの木材展示館」、「木の住まい白鳥ハウジングセンター」が作られ、貯木場の役割も広報機能に重点が移っていった。 1989年(平成元年)には貯木場の跡地を利用して世界デザイン博覧会の白鳥会場が設けられ、貯木場の広報施設も博覧会に合わせて「ウッディランド・名古屋」を愛称し博覧会に協賛参加した。 白鳥会場跡地はその後公共施設、都市公園などに転用された。1996年(平成8年)、貯木場の市場が廃止され、2002年(平成14年)、「ウッディランド・名古屋」が閉館した。 2004年(平成16年)には、林野庁の事務局「中部森林管理局名古屋事務所」として継続設置され、ウッディランド・名古屋の「暮らしの木材展示館」で行われていた児童向けの木工教室は「森林ふれあい講座」に変わり、2012年(平成24年)度まで継続実施された。 現在の「林野庁中部森林管理局名古屋事務所」は、東海地区を中心とした国産材の新規需要開拓と安定供給体制の構築や国産材利用促進に向けた情報発信を行っており、林業の歴史と木材利用に関する展示館「熱田白鳥の歴史館」が事務所に併設設置され、大都市の中にありながら、木の温もりや森林のはたらき・役割の素晴らしさに接することが出来る貴重な学習の場として、木育活動をはじめ高年者の生涯学習まで幅広い都市住民に活用されている。
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