人民海軍の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 09:27 UTC 版)
人民海軍は長らく3つの艦隊(Flottille)のみを常時待機させる3艦隊体制を取っていた。初期には次のような艦隊が存在した。 第3艦隊(3. Flottille, 1956年 - 1958年)、沿岸警備艦隊(Küstensicherungsflottille) - 海上人民警察の第1沿岸区(Küstenabschnitt I)を母体とする。1956年5月1日からは第2沿岸艦隊(Küstenabschnitts-Flottille II)に改名。所在地はザスニッツ(ドイツ語版)の東部根拠地(Flottenbasis „Ost“)。 第7艦隊(7. Flottille, 1956年 - 1957年)、舟艇教育艦隊(Schulbootsflottille) - 海上人民警察の舟艇教育部(Schulbootsabteilung)を母体とする。所在地はパーロウ(ドイツ語版)。 第9艦隊(9. Flottille, 1956年 - 1960年)、艦船試験艦隊(Erprobungsschiffsflottille) - 訓練部(Baubelehrungsabteilung)を母体とする。1961年に科学技術センターと合併。所在地はヴォルガスト。 解散時の人民海軍は、次のような部隊及び艦隊で構成されていた。 第1艦隊(ドイツ語版)(1. Flottille) - ペーネミュンデ 第4艦隊(ドイツ語版)(4. Flottille) - ロストック・ヴァーネミュンデ 第6艦隊(ドイツ語版)(6. Flottille) - リューゲン島のドランスケ(ドイツ語版)近郊ブーク(ドイツ語版)軍港 第6沿岸国境旅団(6. Grenzbrigade-Küste, 6. GBK) - ロストック また1985年頃には、次のような部隊も活動していた。 第18魚雷技術中隊(Torpedo-Technische Kompanie 18, TTK-18) - 対潜魚雷の保守点検を行う。 第18海軍ヘリコプター航空団(ドイツ語版)(Marinehubschraubergeschwader 18, MHG-18) - シュトラールズント近郊のパーロウ(ドイツ語版)に拠点を置く。第二次世界大戦中の航空艦隊の基地をそのまま使用した。 第28海軍航空団(ドイツ語版)(Marinefliegergeschwader 28, MFG-28) - 通常は航空軍に所属する。所在地はラーゲ(ドイツ語版)。 第18海軍工兵大隊(Marine-Pionierbataillon 18, MPiB-18) - ザスニッツ(ドイツ語版)。 第18水中戦闘コマンドー(Kampfschwimmerkommando 18, KSK-18) - キュールングスボルン(ドイツ語版)。いわゆるフロッグマン部隊。 第18通信連隊(Nachrichtenregiment 18, NR-18) - バート・ズュルツェ(ドイツ語版)。 第18沿岸ロケット連隊(Küstenraketenregiment 18, KRR-18) - シュヴァルツェンプフォスト(ドイツ語版)。 第18沿岸防衛連隊(Küstenverteidigungsregiment 18, KVR-18) - ロストック(1988年から)。 第18海軍宣伝中隊(Marine-Propagandakompanie 18, PRK-18) - ロストック・ヴァーネミュンデ。 第18無線電子戦大隊(Bataillon Funkelektronischer Kampf 18, BFEK-18) - グライフスヴァルト・ハンスハーゲン(ドイツ語版)。 第18弾薬集積所(Munitionslager 18, ML18) - アルテントレプトウ・ゼルツ(Seltz)。後方指揮所と共に「街灯(Laternenpfahl)」の秘匿名称があった。 第14弾薬集積所(Munitionslager 14, ML14) - ゲルベンザンデ(ドイツ語版)。 第18燃料及び潤滑油集積所(Tank- und Schmierstofflager 18, TSL18) - グライフスヴァルト・ラーデボウ(ドイツ語版)。 第18修理基地(Instandsetzungsbasis 18, IB18) - ヴォルガスト。各地にある次のような作業区(Werkstattbereichen, WB)を統括した。第1作業区(WB1) - 中央火器作業所(Zentrale Waffenwerkstätten)。ヴォルガスト。 第2作業区(WB2) - 中央情報通信作業所(Zentrale Nachrichten- und Funktechnische Werkstätten)。シュトラールズント・デーンホルム(ドイツ語版)。 第3作業区(WB3) - 中央車両作業所(Zentrale Kfz-Werkstätten)。グライフスヴァルト・ラーデボウ(ドイツ語版)。 第4作業区(WB4) - 船舶技術作業所(Schiffstechnische Werkstätten)。リーブニッツ=ダムガルテン(ドイツ語版)。 教育所(EM-Stelle) - ラウターバッハ(ドイツ語版)。 科学技術センター(Wissenschaftlich-Technisches Zentrum, WTZ) - ヴォルガスト ドイツ民主共和国海洋水路局(ドイツ語版)(Seehydrographischen Dienst der DDR, SHD) - ロストック 第18独立保安小隊(Selbständigen Sicherungszug 18) - ロストック・ゲールスドルフ(ドイツ語版)。人民海軍司令部直属で、海軍高官の護衛などを行った。 各教育訓練施設「ヴァルター・シュテフェンス」艦隊学校(ドイツ語版)(Flottenschule „Walter Steffens“) - パーロウ(ドイツ語版)。艦艇乗組員たる下士官兵の教育・訓練を行う。 「カール・リープクネヒト」士官学校(ドイツ語版)(Offiziershochschule „Karl Liebknecht“) - シュトラールズント。人民海軍および諸外国海軍の士官教育を行う。 後方要員下士官学校(Unteroffiziersschule Rückwärtige Dienste) - シュトラールズント・デーンホルム(ドイツ語版)。別名として第18海軍訓練機関(Schiffstammabteilung-18,SSTA-18)、あるいは「パウル・ブレヒシュミット」教育機関(Lehreinrichtung „Paul Blechschmidt“)とも。技術下士官をはじめとする陸上基地要員の育成を行った。自動車運転教習や陸上戦闘訓練などを含めた、人民海軍後方任務における全般訓練を行った。 その他、兵器試験場および各種特別部局。
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