人工衛星の地球診断とは? わかりやすく解説

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人工衛星の地球診断

私たちの生活を側面からサポートする地球観測衛星のデータ

地球観測衛星は、地球上資源探査環境公害などの監視海洋現象観測などをおこない私たちの生活を側面からサポートしてます。ここでは、1996年8月打ち上げられ、約1年わたって運用され宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))の地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」(ADEOS)のデータをもとに、地球観測データ取得解析について見てます。

1996年9月に撮影された「みどり」初画像(大隈半島)
1996年9月撮影され「みどり」画像(大隈半島)

衛星フェアリング中の「みどり」
衛星フェアリング中の「みどり」

「みどり」は、地球環境の微妙な変化をとらえる8種類のセンサを搭載

「みどり」は、地球温暖化オゾン層の破壊熱帯雨林減少異常気象といった環境問題対応した地球規模の観測データ取得目的として打ち上げられました。その本体には、環境微妙な変化をとらえる8種類センサ搭載されそれぞれ画像データたえまなく地上送っていました

衛星直下の幅約80kmの範囲を観測するAVNIRと海水や海温のデータを取得するOCTS

そのとなったのは、宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))が開発した高性能可視近赤外線放射計(AVNIR)と海色海温走査放射計(OCTS)です。前者のAVNIRは、地上から反射する太陽光観測する分解能光学センサで、衛星直下の幅約80kmの範囲細かく分割して観測します。また、OCTSは、海洋水色水温データ反復して取得しクロロフィル濃度浮遊物水温などを把握することを目的とした光学センサです。

「みどり」のOCTS画像(クロロフィル-aの濃度分布)
「みどり」OCTS画像(クロロフィル-a濃度分布)

「みどり」が撮影した日本列島周辺海域のOCTS画像
「みどり」撮影した日本列島周辺海域OCTS画像

オゾン層分布やエルニーニョ現象の解明にも十分に役立つ

このほかには、いま大きな問題となっているオゾン分布量などを観測するNASA散乱計(NSCAT)などが搭載されています。このNSCATは、NASAジェット推進研究所(JPL)が開発したセンサで、2日ごとに、氷に覆われていない海域90%の風速風向き天候左右されることなく観測することができます。これにより作成され地球全体気象モデル利用すればエルニーニョのような現象解明にも役立つと期待されいました

「みどり」のNASA散乱計で撮影した太平洋域の海洋風向・風速
「みどり」NASA散乱計で撮影した太平洋域の海洋風向・風速

「みどり」のNASA散乱計が観測したオゾン全量分布
「みどり」NASA散乱計が観測したオゾン全量分布

今後も、大気や海を観測する「みどりII」(ADEOS-II)や陸域観測の「だいち」(ALOS)など、後継衛星を計画

残念ながら「みどり」(ADEOS)は、1997年7月太陽電池パネル破断により運用停止しましたが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は後継衛星として「みどり」(ADEOS-II)や「だいち」(ALOS)による地球観測予定しており、「みどり」教訓生かして観測活動続けていく計画となってます。2002年打ち上げられた「みどりII」(ADEOS-II)は、世界各地での異常気象多発オゾンホール拡大等、地球スケールでの環境変化実態把握原因究明のために、様々な地球表情宇宙からとらえてます。高精度観測データ各国の研究者に提供されることで、世界的な気候変動研究への貢献期待されています。
これに対して2006年打ち上げられた「だいち」(ALOS)は、高解像度パンクロマチック立体視センサー搭載し陸地対象地球環境変化詳しく観測してます。いずれも世界で有数高性能センサをもち、日本国内だけでなく、世界向けて貴重なデータ提供するものと期待されています。

「みどり」の後継衛星「みどりII」(ADEOS-II)
「みどり」後継衛星みどりII」(ADEOS-II)

「みどりII」初画像取得。オホーツク海の流氷をとらえる。
みどりII」初画像取得オホーツク海の流氷をとらえる。



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