今後の建設へ向けて
1999年度の国際宇宙ステーション予算は22億7,000万ドルに
1999年度のNASAの予算案は134億ドルで、1998年度の認可予算と比較すると1億7,300万ドルの減少となっていますが、開発の最終段階にある国際宇宙ステーションに関しては、21億ドルの上限を大きく上回る22億7,000万ドルが確保され、計画の進展が維持されています。
厳しい予算制約や資金難の中で、一層求められる国際協力
NASAにとって、国際宇宙ステーションの建設は人類を月に送り込んだアポロ計画以来の、組織の命運をかけた巨大プロジェクトです。しかし、国威をかけた冷戦中のアポロ計画と違い、NASAは厳しい予算の制約を受けています。また、ロシアも資金難に苦しんでおり、計画の遅れや見直しを最小限にとどめるためにもより一層の国際協力が求められるようになりました。こうした中、ロシアのエリツィン大統領は1998年1月、国際宇宙ステーション計画への拠出金の増額に同意。ロシアが消極姿勢に転じるのではとの各国の懸念をぬぐいさりました。
国内支持獲得のため、商業化の方針を打ち出す
アメリカでは国内的に、計画への支持をいかに得るかが課題となっています。というのも、科学者の間からは「つぎ込む資金に見合った成果は期待できない」という厳しい意見がでているからです。こうした声を意識したゴールディンNASA長官は、船内の実験装置の30%を民間ユーザーに貸し出す"商業化"の方針を打ち出しました。
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