受動安定方式
姿勢制御で、重力、地磁気などの外乱から衛星を守る
軌道を回る人工衛星は、アンテナを地球に向けたり、観測機器をその対象となる方向に正しく向けたり、また太陽電池パネルを太陽に向けたりなどと、その姿勢をつねに保つ必要があります。しかし、重力、地磁気、太陽風などの外乱を受けるため、衛星の姿勢は乱されてしまいます。そこで、衛星の姿勢を制御して安定させる必要があるのです。
地球の重力を利用して衛星の姿勢を安定させる「重力傾度安定方式」
地球の重力を利用して衛星の姿勢を安定させる方式。地球の重力(引力)を受けて傾斜する原理を応用し、長手を衛星にとりつけるとその長手は地球の方に向き、姿勢が安定するという方式です。これは月がつねに1つの面だけを地球に向けているのと同じ原理です。しかし、この方式はふらつきが多く、実用例はあまりありません。
衛星全体をコマのよう回転させる「スピン安定方式」
アンテナなどを除いた衛星の本体のみか、あるいはまた衛星全体をコマのように回転させることにより、衛星の姿勢を安定させる方式。信頼度の高い方式ですが、太陽電池の面積が大きくとれないため、電力が大量に得られないという欠点があります。
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