固体ロケットと液体ロケット
構造の簡単な「固体ロケット」と、誘導制御が容易な「液体ロケット」
固体燃料ロケットの推進剤(すいしんざい)には、一般的に燃料(ポリブタジエン系の液体合成ゴムなど)と酸化剤(過塩素酸アンモニウムなど)を均一に混ぜ合わせて固めたものを使用します。一方、液体燃料ロケットの推進剤は、一般的に燃料(液体水素など)と酸化剤(液体酸素など)が別々のタンクに入れられ、それぞれパイプを通して燃焼室の中に送られます。燃料室に推進剤を送り込む方法としては、ガス圧式、タービン式などがあります。
「固体ロケット」は低コストで開発や取り扱いが比較的容易にできる
固体ロケットの長所は、部品の数が少なく構造が簡単なので信頼性が高いこと、液体ロケットに比べて、開発・製作・取り扱いが容易でコストもあまりかからない、ということです。また、同じ大きさの液体燃料ロケットと比較すると、より大きな力(推力)を出すことができます。 しかし、燃料に一度火をつけると、いったん消したり再点火したりといった操作が自由にできないため、正確な誘導制御(ゆうどうせいぎょ)がしにくいという欠点があげられます。
「液体ロケット」は推力の調節ができ、正確な誘導が可能
液体ロケットの長所としてあげられるのは、推力を調節することができるなど、固体ロケットに比べて正確な誘導制御(ゆうどうせいぎょ)が可能であるという点です。また、一度着火しても、タンクのバルブをしめれば燃焼を止めることができるので、宇宙に旅立つ前にあらかじめ何回もエンジンの燃焼試験ができます。しかし、構造が複雑なため、開発・製作・取り扱いなどがむずかしいという欠点があります。月へ行ったサターンロケットは液体ロケットでした。
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