再利用可能なスペースシャトルの打ち上げと帰還
エンジン停止状態のままでグライダーのように滑空して帰還するスペースシャトル
スペースシャトルは、オービターのメインエンジンと固体ブースターの推力によって、ロケットのように垂直に打ち上げられます。打ち上げから約2分後に、燃料の燃えつきた固体ブースターがはなされます。8分すぎにはメインエンジンを停止し、空になった外部燃料タンクが切りはなされます。オービターは軌道修正用の小型エンジンを噴射して地球をまわる軌道に乗り、予定された目的の作業(衛星の軌道上への運搬・各種実験など)をおこないます。
オービターが地球に戻るときは進行方向の逆を向き、小型エンジンを噴射して速度を落とします。そして軌道からはなれて大気圏に突入後、グライダーのように大気中を滑空して着陸します。
(左)スペースシャトルの打ち上げ、(右上)エンジン停止状態のまま滑走路に向かって滑空するスペースシャトル、(右下)タッチダウン
スペースシャトル総重量の約90%が再利用可能
スペースシャトルは地球と宇宙を何回も往復する「宇宙往復船」です。それまでのロケットは使い捨てでしたが、スペースシャトルはコストの節約と資源のリサイクルを考えて開発されました。外部燃料タンク以外は全部回収されて再使用されます。
オービターは大気圏に再突入後、飛行機のように滑空して地上にもどります。もどってきたオービターは整備工場に入り整備・点検されます。そしてペイロード(荷物)などを取り付けたあと、発射台に運ばれて再発射されます。また、打ち上げ時に切りはなされた2基の固体ブースターはパラシュートで海上に降下して回収され、再使用されます。外部燃料タンクだけは使い捨てで、大気圏突入時に燃えつきます。
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