京都府奈具岡遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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京都府奈具岡遺跡出土品

主名称: 京都府奈具岡遺跡出土品
指定番号 558
枝番 00
指定年月日 2004.06.08(平成16.06.08)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 弥生
年代
検索年代
解説文: 本件は、京都府奈具岡遺跡から出土した弥生時代中期玉作たまつくり関係資料である。遺跡は、京都府竹野郡弥栄町溝谷小字奈具岡に所在する。この地は、丹後半島北流する竹野川によって形成された狭い盆地東側細かな尾根複雑に入り組んだ丘陵地である。遺跡は、奈具谷呼ばれる小谷源頭部を取り巻斜面および尾根上に広がっていた。
 調査昭和五十六年から平成十年まで、この地域一帯計画され国営農地開発事業先立って断続的に実施され弥生時代から古墳時代遺構・遺物発見された。本件は、これら調査のうち、尾根挟んで展開した二つ地点第四次調査面積四〇〇〇平方メートル第七八次調査調査面積二一〇〇平方メートル)で出土した玉作関係の資料である。検出され遺構には七四基の建物跡があり、概ね斜面の上方に所在する建物跡では玉作関係遺物少なく居住域)、斜面下方尾根裾を取り巻くように所在する遺構工房域=標高三三三八メートル)から玉作関係の遺物多く出土する傾向とらえられた。
 本件は、これらの玉作工房跡およびその周辺から出土した石器石製品九六点、ガラス製品七二点、鉄製二〇四点土器・土製品四〇点で構成される資料は、第四次調査出土品第七八次調査出土品その内容違いがある。前者は、碧玉へきぎょく】(緑色りょくしょく凝灰岩管玉くだたま】を主とした未製品に、安山岩瑪瑙【めのう】製の微細な石針せきしん】、筋砥石【すじといし】、石鋸【いしのこ】等で構成される管玉未製品は、原石、荒割【あらわり】、形割【かたわり】、研磨穿孔の各工程網羅する後者では、これらに加えて、より多く水晶素材とした玉類未製品出土し、その中にはわずかではあるが、完成品に近い棗玉なつめだま】、勾玉まがたま】、算盤玉そろばんたま】も含まれている。さらに注目されるのはガラス玉未製品存在と、袋状鉄斧【てつぶ】や鉄鏃てつぞく】、穿孔用の錐【きり】と考えられる微細な鉄製品、さらに鞴羽口【ふいごはぐち】の存在である。これらは、本遺跡石製玉作加えてガラス製品の製作や小規模な玉作用具鍛冶工房存在うかがえる多彩な工房集落であったことを示している。
 以上本件は、弥生時代中期における碧玉水晶加えてガラス玉の製作にかかる玉作関係資料として内容が豊富であるとともに鉄製品製作に関わる資料も含む希有なものであり、その学術的価値は高い。



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