京都府法住寺殿跡出土品
主名称: | 京都府法住寺殿跡出土品 |
指定番号: | 451 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1989.06.12(平成1.06.12) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 平安 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 法住寺殿跡は、現在の蓮華王院【れんげおういん】本堂(三十三間堂)の東北部にあたる。昭和五十三年、ホテル新築工事に伴う発掘調査が行われ、平安時代の武器・武具類を埋納【まいのう】した東西三・一六メートル、南北三・三四メートル、深さ〇・六メートルを測る土壙が検出された。この地は、後白河法皇【ごしらかわほうおう】が院御所【いんのごしよ】とした法住寺殿の故地として注目される場所である。 本遺品は前述の土壙内より出土したものであるが、金銀象嵌龍文鍬形【きんぎんぞうがんりゆうもんくわがた】一面・金銅象嵌鶴文鏡轡【こんどうぞうがんかくもんかがみぐつわ】一具の地、武器類(弓・矢・箙【えびら】)・武具類(甲胄【かつちゆう】・金具)が存在する。 鍬形は、厚さ一ミリあまりの鍛造【たんぞう】鉄板の一枚作りで、完形品である。周囲には金銅の総覆輪【そうふくりん】を巡らす。向かい合った龍とその上部に雲文【うんもん】を配し、鍬形表面を金銀の象嵌で覆うものである。龍は口を大きくあけて頸をもたげ、前脚の一方を上げ、他方を下げている。後脚は一方を曲げ、他方を胴部に絡ませて大きく後方に伸ばしている。全体として龍が天空を駆ける姿となっている。二頭の龍はともに頸に宝珠【ほうじゆ】をつけている。 鏡轡は鉄製で、細かく整形・補修が施されているが完存品である。鏡板【かがみいた】は円形で厚さ三・六ミリを測る。鏡板表面には長い頸を曲げて上方に伸ばし、嘴を高く上げ、両翼を左右に大きく拡げ飛翔する鶴を金銅象嵌で大きく配している。轡を馬に付けた時、両側の鏡板の鶴は前を向くように配されている。 鍬形にみられる金・銀の象嵌技法、鏡轡にみられる金・銅の象嵌技法は精緻を極め、平安時代遺品の中でも類例の少ないものであり、その工芸技術の水準の高さを知るうえで貴重な存在といえよう。 なお、本遺品に共伴する武器・武具類は同一土壙からの出土であり、同時性の高い資料として一括保存を図りたい。 |
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