九州大学男声合唱団コールアカデミーとは? わかりやすく解説

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九州大学男声合唱団コールアカデミー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/08 06:20 UTC 版)

九州大学男声合唱団コールアカデミー(きゅうしゅうだいがくだんせいがっしょうだんコールアカデミー)は、九州大学男声合唱団。同大で三番目に古い歴史を持つサークル。

活動

荒谷俊治らによって結成された、九州大学の男子学生が集まる合唱サークルであり、学内でのコンサート、学外での定期演奏会、他大学との合同演奏会などの活動を行っている。歴史が長く、九大サークルの代表的存在である[1]:194

「合唱だけにとどまらず、人間の幅を広げ、自治と自由を尊重する」という方針を標榜しており、合唱以外にソフトボール合宿も行っている[2]。またサークル内にソフトボール・麻雀・パチンコ・プロレスの愛好会があるという形態となっている[1]:194-195

歴史

九州大学学生による男声合唱団の活動は古く、1935年(昭和10年)に西南学院大学のグリークラブと九州帝国大学の男声合唱団が合同で演奏会を行った記録がある[3]。戦後は混声合唱団「九大コーロステルラ」が活動し、1947年(昭和22年)に学内で第1回の演奏会を開いた[4][5]。しかしこの団体は学制改革と同時期に解散した。一方旧制福岡高校でも終戦とともに学生が集まって音楽部が創設され、楽器なしでできる合唱から活動を始めた。その後、音楽部は1947年(昭和22年)から始まった合唱コンクールで西南学院グリークラブと争うなど、福岡の合唱界の中心的な存在に成長していった[3]

1949年(昭和24年)の学制改革により旧制福岡高校は九州大学の一部となり、旧制の学生の一人であった荒谷俊治の呼びかけで1953年(昭和28年)に男声合唱団コールアカデミーが約40人の学生で設立された[3]。指導も荒谷が担当した。1954年(昭和29年)7月には福岡学芸大学、福岡商科大学、西南学院大学の合唱団と「福岡四大学合同演奏会」を開いた。この行事は1968年(昭和43年)に九州大学・福岡大学・西南学院大学による「三大学合同演奏会」として再出発した後、1977年(昭和52年)から九州産業大学が加わって再び四大学合同に改められるなど、参加大学を変えながら続いた[6]

荒谷東京フィルハーモニー指揮者となってからは藤井凡大が育成した[7]

2003年平成15年)には創立50周年を迎えた。2002年平成14年)11月、記念行事の一環として韓国の延世大学校グリークラブとの交流演奏会をソウルで開き、初の海外公演を実現した。2003年には延世大学校グリークラブが来日、第47回定期演奏会で共演した[8]

大学の伊都キャンパス移転が完了する2018年には、コールアカデミー歌唱による学生歌「松原に」が伊都キャンパスへ向かうバス車内で流されるようになった[9]。またこの年には筑前前原駅に設置された駅ピアノのオープニングセレモニーに参加、クリスマスソングなどを歌ってセレモニーを盛り上げた[10]

年表

[11]

関連人物

(2019年11月現在)

  • 永世常任指揮者…藤井凡大
  • 永世名誉指揮者…荒谷俊治
  • 常任指揮者…横田諭
  • 音楽顧問…住田寛樹
  • 顧問…熊野直樹[20]

脚注

注釈・出典

  1. ^ a b 「男性合唱団コールアカデミー」『九州大学=総合研究―その歴史・学生生活・就職先・入試ほか』大学総合研究シリーズ企画編集委員会編集、日本リクルートセンター出版部、1980年、pp.194-195。
  2. ^ 「文化サークルと行事」『九州大学工学部七十年史』作道好男・作道克彦編、教育文化出版、1970年、p.991。
  3. ^ a b c 九州大学大学文書館 編「「山口英一、九州大学男声合唱団コールアカデミーの歴史と活動」」『九州大学大学文書館ニュース』 35巻、九州大学大学文書館、2010年9月30日、2-4頁。ISSN 1881-3496https://hdl.handle.net/2324/2203013 
  4. ^ 松村晶「創立100周年を迎える九大フィルハーモニー・オーケストラ」『九州大学大学文書館ニュース』第30号、2007年11月15日、p.3。
  5. ^ 『九大フィルハーモニー・オーケストラ50年史』九大フィルハーモニー会、1963年、p.70。
  6. ^ 「西南学院グリークラブ」『西南学院七十年史』下巻、西南学院学院史企画委員会編集、西南学院、1986年、pp.1122-1123。
  7. ^ 「九大男声合唱団コールアカデミー 創立50年記念し演奏会 22日、福岡で」『読売新聞』2005年1月7日付西部本社夕刊2面。
  8. ^ a b c 「福岡 歌声の交流 ソウル 九大、延世大と共演 中央区で18日 「アリラン」も披露」『西日本新聞』2003年(平成15年)1月16日付朝刊29面。
  9. ^ 谷辺晃子「九大学生歌 伊都との懸け橋 駅でバスで バンカラな響き キャンパス移転 秋に完了」『朝日新聞』2018年(平成30年)7月31日付西部本社夕刊7面。
  10. ^ 鳥居達也「自由に弾いて♬駅ピアノ 糸島・JR筑前前原駅構内にお目見え 英国発祥 演奏家ら有志企画、ミニコンサートも」『朝日新聞』2018年(平成30年)11月29日付西部本社朝刊31面(福岡)。
  11. ^ 団紹介―60年の歩み”. Chor Akademie official page!!. 2019年11月15日閲覧。
  12. ^ コール・アカデミー好評」『九州大学新聞』1954年6月10日付1面。
  13. ^ 「圧巻!160名の大コーラス 福岡四大学合唱合同演奏会」『朝日新聞』昭和29年7月13日付8面(福岡市内版)。
  14. ^ 『九大フィルハーモニー・オーケストラ50年史』九大フィルハーモニー会、1963年、p.104。
  15. ^ 純心コール・マリーヱ・九州大学男声合唱団コールアカデミー:ジョイントコンサート
  16. ^ 「Concert Guide」『音楽芸術』第41巻第1号、音楽之友社、1983年1月、p.16。
  17. ^ 「九州大学男声合唱団「コールアカデミー」常任指揮者 藤井凡大さん追悼コンサート 6日に福岡市で開催 全国からOB50人も駆けつけ」『西日本新聞』1995年(平成7年)8月4日付朝刊20面。
  18. ^ 彰「近況・往来 指揮生活40年記念の演奏会を福岡市で開く 指揮者・荒谷俊治さん 石丸氏の意志受け継ぐ」『西日本新聞』1998年(平成10年)5月20日付朝刊14面。
  19. ^ 「見る聞く 九州大学男声合唱団コールアカデミー・定期演奏会」『西日本新聞』2003年(平成15年)1月4日付夕刊2面。
  20. ^ 九州大学男声合唱団コールアカデミー・メンバー2019年11月15日閲覧。

外部リンク


九州大学男声合唱団コールアカデミー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/18 02:17 UTC 版)

藤井凡大」の記事における「九州大学男声合唱団コールアカデミー」の解説

藤井1949年昭和24年)に旧制福岡高等学校入学し音楽部入部する。ここで、同期入学し、後にプロ指揮者となる荒谷俊治知り合うこととなる。この音楽部が、後の九州大学男声合唱団コールアカデミーの前身となる団体一つである。なお、この昭和24年入学というのは、旧制高校として最後入学年次となる年である。 2人福岡合唱協会にも在籍し、ここで石丸寛影響を受けることとなる。荒谷中心となり、1953年に各学部分散していた合唱団体を統合することを提案し、これが「九州大学男声合唱団コールアカデミー」となる。しかし、この年藤井は、全国邦楽コンクール作曲部門の第1位となり、大学卒業待たず上京し作曲活動入っていたため、実質的に九大コールアカデミーに創生期活動には関わっていない。 しかし、1969年1月定期演奏会客演指揮者として招請され以来一時期中断期間はあったものの、没するまで常任指揮者として、後輩である学生への教育尽力した。なお、藤井逝去し1994年7月24日3日後、7月27日九大コールアカデミーによる、京大北大とのジョイントコンサート合同ステージ指揮藤井が行うことになっていた。

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「九州大学男声合唱団コールアカデミー」を含む「藤井凡大」の記事については、「藤井凡大」の概要を参照ください。

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