九州大学時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 08:49 UTC 版)
2007年、九州大学高等研究機構若手研究者養成部門SSP学術研究員、および九州大学システム情報科学研究院特任准教授に着任(後、特別准教授)。瀬戸文美とリーチング動作の目標値整形について研究するとともに、モータ制御単体でも積分補償を用いた目標値整形を行う制御手法を提案した。 また、ヒューマノイドロボットの立位が安定するための制御則を研究し、「最良重心レギュレータ」を提案。安定に立っている状態から踏み足しながら搖動する状態における重心の位相(位置と速度)の状態遷移について調べ、リミットサイクルを形成する「力学変容」(dynamics morphing)の仕組みを見出す。これらの研究は、日刊工業新聞社のWeb連載や書籍『あのスーパーロボットはどう動く』において、機動警察パトレイバーと絡めて論じられた。 2009年、杉原はロボットの逆運動学(英語版)の数値解法に、残差2乗ノルムに微小バイアスを加えた減衰因子を用いたレーベンバーグ・マルカート法(英語版)(Levenberg-Marquardt mechod)を適用。特異点や動作領域外で解が存在しない場合に対しても発散せずに収束する利点を持ち、2011年の日本語論文は論文賞を受賞した。この手法はMATLABのロボット関係のライブラリで逆運動学ソルバーの一つに採用され、梶田秀司の編著でも特異点に対応した逆運動学の計算例として採用されている。
※この「九州大学時代」の解説は、「杉原知道」の解説の一部です。
「九州大学時代」を含む「杉原知道」の記事については、「杉原知道」の概要を参照ください。
- 九州大学時代のページへのリンク