主張・抱負とは? わかりやすく解説

主張・抱負

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:42 UTC 版)

文藝時代」の記事における「主張・抱負」の解説

文藝時代』は、芸術意識本源的新たにし、「新しい生活と新し文藝」を会得することを創刊目的とし、「宗教時代より文藝時代へ。」という抱負使命感で『文藝時代』と名付けられた。それは、かつて人間救済役割果たしていた宗教が力を失った近代の世で、「宗教」に代わるものとしての文藝時代という願い込められていた。 従来宗教」が占めていた位置を、将来文藝」が占めることを信じつつ、「我々の子孫」が「文藝御寺詣で生くべき道を知る」ための文藝への精進は、同人自身使命感鼓舞し生活感情を正しくする、と発起人川端康成掲げたまた、文藝分る知識階級興味中心読物以外に、人生観芸術感を求めてゐる」として、「人生観芸術感」のある文藝生まれない限り、「いかにアメリカニズム横行しようとも、人々決し安らがない」と断言し新し感覚の手法ばかりを嬉しがるではなく、その新感覚通して書き現わす本体」(人生)を忘れず、「新し人生観と生活と」が大事であるとして以下のように主張した今日新進作家時折見られる生活的デイレツタンチズム」や、新奇求め気持や、焦燥や、明る移り気や、ニヒリスチツクな生活態度は、私達求めるべきものではない。世界が今求めてゐるのは偉大な新し常識である。明日の日の常識である。新し時代常識なり得る程に普遍性力強さを備へた人生観である。新し時代文芸哲学と結びついて、古き世の宗教に代らなければならないのであると、私は考へてゐる。 — 川端康成文壇文学論新進作家である自分たち自身の「生活と芸術との局面打開」が、すなわち「文壇そのもの局面打開」や「文藝界の更新」になると意志表示をした川端は、新し文藝創造しようという信念を持つ新人薔薇の花に喩え遠くに咲く一輪薔薇人目知られないとしても、それと同じ遠さにある「薔薇花束は人の目を見開かせる」として、同人誌文藝時代』は「文藝界の機運」を動かそうとする自分たちが「新し時代の精神に贈る花束」であるとした。 また、「いつの世どこの国に、前時代文藝への反逆或はそれからの飛躍でなかつた新し文藝があつたか」と意気込みをみせながら、自分たちを登山家にも喩え、「尊敬すべき先進諸氏よりも遙かに低い麓から諸氏よりも高い山巓を仰いで一歩一歩登ろうとする今の我々に、この雑誌六根清浄金剛杖である」とし、「文学史上に画時代的使命」を果たす覚悟示したこうした既成文芸対抗する新進作家団結意志知った中村武羅夫は、文壇生活を長いことやってきた中でこんな乱暴な団体初めてだと『新潮誌上憤慨示した

※この「主張・抱負」の解説は、「文藝時代」の解説の一部です。
「主張・抱負」を含む「文藝時代」の記事については、「文藝時代」の概要を参照ください。

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