主張・政治姿勢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 22:41 UTC 版)
「メッテ・フレデリクセン」の記事における「主張・政治姿勢」の解説
売春に厳しい姿勢を取ることで知られる。アイスランドやノルウェー、スウェーデンにおけるのと同様に、デンマークにおいても売春を禁止するよう長年にわたり強く主張してきた。2002年には売春禁止に関する公開討論会を開催し、「性的サービスの禁止に努める」とした2009年の社会民主党大会決議にもかかわった。また、アメリカ同時多発テロ事件や2015年欧州難民危機以降、切実な問題となっている移民・難民の大規模な入国については、国民の大多数に悪影響を及ぼすとして、次第に否定的な立場を取るようになっている。21世紀初頭に社会民主党が総選挙で低迷したのは、第三の道を志向し、中道主義ないし新自由主義的な経済政策を採用し、無制限のグローバル化を支持した結果だとしている。「際限のないグローバル化や移民の大量流入、自由な労働力移動のつけは下層階級が払うことになると、強く確信するようになっています」と述べている。 フレデリクセンが代表を務める社会民主党は、デンマークに入国した難民から、当局が金品を没収できるようにする法案に賛成票を投じたことがある。同法案は国際連合人権理事会で厳しく批判されたほか、第二次世界大戦中のナチス・ドイツ占領地域におけるユダヤ人の扱いに通じるとして広く懸念された。社会民主党はまた、ブルカやニカブの着用禁止を盛り込んだ法案にも賛成している。このように融和から抑圧へ難民政策の方針をシフトさせる過程で、フレデリクセンは右派のデンマーク国民党を支援するようになった。西欧諸国以外からの移民には帽子の着用を求めているほか、難民申請者の北アフリカの難民受け入れセンターへの強制送還や、福祉の見返りに移民を強制的に労働させることも主張している。他の社会民主主義政党については、労働者の権利をないがしろにしてグローバル化を推し進めた上、格差を拡大させ、さらには際限のない移民の流入を認めたことで有権者の信頼を失ったと批判している。 「デンマークの司法制度を尊重しない」ムスリムや、宗教上の理由で就業を拒む女性、ムスリムの女子が「社会にがんじがらめに」されやすいことなどを引き合いにだして、イスラームが移民受け入れの障害になっているとたびたび述べている。Kristeligt Dagblad 紙のインタビューでは「すべての移民受け入れセンターの閉鎖」や「北アフリカへの移民の送還」を主張した。こうした発言は、モルテン・エステアゴー(ラディケーリ書記長)やクリスティーナ・ナルボナ(スペイン社会労働党総裁)からゼノフォビアとして強く非難された。 2019年8月、ドナルド・トランプ大統領がデンマーク訪問直前、グリーンランドの購入の意思を示した際には否定的な見解を示した。結果的にトランプ大統領のデンマーク訪問、フレデリクセンとの会談は取りやめとなっている。
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