中国官制における軍師の沿革とは? わかりやすく解説

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中国官制における軍師の沿革

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 15:17 UTC 版)

軍師」の記事における「中国官制における軍師の沿革」の解説

両漢交替期―軍師の起源 官制上の軍師は、両漢交替期の群雄名士招聘したことに端を発する劉秀配下鄧禹における韓歆隗囂における方望当時軍師の例である。諸軍閥は軍師文字通り「師」として、帷幄謀略めぐらす任務託した群雄軍師との関係は君臣間柄ではなく軍師進退去就の自由を有する賓客として遇された。両漢交替期の軍師戦時体制下臨時職だったため、後漢中国統一ののちに廃止された。 後漢末期―名士の取り込み 後漢末期の群雄蜂起に際して軍師が再び現れた。袁紹における盧植劉表における蔡瑁が例として挙げられる盧植黄巾討伐で功を挙げた当代の名儒として、蔡瑁荊州名士として知られていた。当時名士とは高い名声持った知識人(主に儒者)のことである。名士学識知恵期待されて、あるいは群雄覇権正当化する象徴として、あるいは名士層を抱き込む目的軍師として迎えられとみられる後漢主な官僚登用法である郷挙里選地方官地方有力者がその地方優秀な人物推薦する制度であり、その地方での名声重要視されたので、名士郷挙里選推挙されやすかった郷挙里選の中で特に重視され孝廉では儒教教養重視された。孫権軍師になった張昭孝廉推挙されているが、徐州など北方名声博した名士であり、孫策張昭師友の礼をもって遇している。 劉備政権軍師中郎将軍師将軍丞相務めた諸葛亮若くして司馬徽龐徳公に「臥龍」と評され期待され荊州名士だった。劉備死後諸葛亮劉禅政権丞相として取り仕切ったが、荊州出身人材重用し自身後継者にも荊州出身蔣琬指名した曹操の参謀集団―軍師・軍師祭酒 一方曹操司空府・丞相府において軍師軍師祭酒による参謀集団構成し政策戦略決定関与させた。とりわけ中軍師・荀攸軍師集団筆頭に序せられ、「軍事国政人事裁判・法制はみな荀攸に決させた」と評された。また、曹操新たに設置した軍師祭酒は、制度化された本格的な参謀官職だった。例え郭嘉曹操諮問与って深く算略に通じ事理見極めた」と評され建安七子数えられる陳琳王粲阮瑀徐幹名文家曹操秘書として機密扱った自己の陣営名士軍師として取り込む点で曹操当代群雄とは共通していたが、曹操はより積極的に軍師組織的な軍事政治顧問として用いた曹魏・両晋―監軍としての軍師 魏が建国され曹操政権中枢丞相府から魏公国へと移ると、軍師参謀集団としての役割終えた。代わって、方面軍最高司令官たる都督監察する任務軍師与えられるようになった例えば、大将軍軍師辛毗蜀軍対峙する大都督・司馬懿のもとに派遣され、その軍事行動牽制し全軍将兵監督した西晋では景帝司馬師の諱を避けて軍司」と改称された が、地方軍団の監察官として機能曹魏から継承された。例え八王の乱際し司馬倫部将の管襲を司馬冏軍司として派遣したが、司馬冏口実設けて管襲を殺した。これは監察任務とする軍司方面軍にとって目障りな存在だったことを示す事件である。 晋代軍司都督代行する機能をも備えていた。重病都督荊州諸軍事・羊祜のもとに派遣され軍司杜預都督補佐務め羊祜死後直ち都督就任したことはその例である。やがて軍司都督交代際し後任都督予定された者が暫定的に就任する官職へと変質していき、東晋ではこの傾向がさらに強まった南北朝―軍師の衰退 監察機能を減ぜられた軍司は、本来的に正規軍制の外の官職でもあることから次第廃れていった。南朝では羊侃元法僧軍司務めたのが監軍としての軍司最後である。他方北朝では北魏北斉魏晋監軍としての軍司制度忠実に継承したが、その存在意義はやはり後退していった。隋唐御史が軍の監察を行うに至り制度としての軍師設けられなくなった

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