中世後期の黒川金山とは? わかりやすく解説

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中世後期の黒川金山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 03:55 UTC 版)

黒川金山」の記事における「中世後期の黒川金山」の解説

確実な文献史料では山梨県山梨市窪八幡神社別当寺である普賢寺住職記した王代記』の明応7年1498年)条が初出とされている。『王代記』明応7年条では同年8月23日発生した明応の大地震による甲斐国内の被害記されており、「天地振動シテ国所損、金山クツレ」と記されている。『王代記』の記す「金山」は不詳であるが、地理的関係から黒川金山指していると考えられている。15世紀までは、黒川霊場として山伏修験者などが滞在し小規模な砂金採掘が行なわれていた。 1959年昭和34年)には奥野高廣武田信玄』において、甲斐金山武田信玄1521年 - 1573年)の時代最盛期迎え武田勝頼1546年 - 1582年)の時代には衰退したとされ、これが定説となっていた。遅くとも16世紀前半には本格的な金の採掘始まっており、専門職人集団としての金山衆記した文書多く存在する1987年には黒川金山の、1992年には湯之奥金山発掘調査実施され、また両金山から出土した中世陶磁年代からこれ遡る武田信昌・信縄期にあたる1500年前後の戦国時代初期開始指摘される黒川金山衆に関わる最古文書として、永禄3年1560年卯月18日の「武田家朱印状」(「田辺家資料」)がある。同文によれば同年黒川金山衆の田辺家当主である田辺清衛門尉青梅街道沿いの小田原甲州市塩山下小田原塩山上小田原)において問屋業を営むことを安堵されており、田辺氏が流通にも携わっていたことが確認される武田氏永禄11年1568年)末に今川領国への侵攻行い駿河侵攻)、これにより相模国後北条氏との甲相同盟瓦解し北条との抗争発生していた。武田氏元亀2年1571年正月16日北条方の北条綱成の守る駿河国深沢城静岡県御殿場市攻め行っていたが、同年2月13日武田家印判状(「田辺家資料」)によれば、この時に田辺四郎左衛門尉黒川金山衆が深沢城攻め動員されている。黒川金山衆はこの時の功績により人足普請棟別役など諸役免除特権得ているなお、元亀2年深沢城攻めでは湯之奥金山のひとつ・中山金山金山衆動員されている。 黒川金山のある鶏冠山山頂奥宮存在する鶏冠神社には随身半跏像(阿行・吽形)が伝来している。阿行像背面に銘があり、永禄2年1559年9月薩摩国僧・林賀が造営した記されており、これは黒川金山最盛期重なることが指摘されている。一方同じく鶏冠神社に伝わる数点の御正体天正5年1577年)の銘がある。こちらは黒川金山の金産出量が減少していた時期奉納であると指摘される。なお、『甲斐国志』では鶏冠神社御正体を「神鏡」としている。 天正5年1577年2月11日武田家朱印状(「風間家文書」)によれば黒川金山衆は同年1月にも諸役免除特権得ている。この頃は、金の採掘量が減少していたためと考えられている。また、同年8月にも武田勝頼から黒川金山衆に、金山から金が出ない間は毎月一疋往還諸役免除するという朱印状交付されている。なお、同年1月22日武田勝頼北条氏政の妹(北条夫人)を継室迎え甲相同盟強化している。 天正9年1581年2月吉日武田家朱印状によれば田辺家当主子息に対して新兵衛尉」の官途名与えられた。 天正10年1582年3月武田氏の滅亡後天正壬午の乱経て徳川家康甲斐確保する天正11年1583年4月21日徳川家印判状写(「田辺家資料」)によれば黒川金山衆は武田氏時代特権認められている。

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