世界の組体操
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 19:56 UTC 版)
日本では組み立て体操が大変盛んで主催当該校監督責任の下、強制参加に依らない参加生徒の自主的・自発的な参加が推奨されている。そのような体制をとる国は稀有である。西側諸国では組み立て体操は一般的ではなかった。2009年マレーシアで東南アジアパラリンピックが開催されその開会式に組み立て体操がNGOによって披露されたが、現在では国際体育大会ですらこのような例は少ない。中国では1960年代まで軍人による組み立て体操が国家の祝日に実施されていたが、現在は実施されない。北京オリンピックの際には華麗なマスゲームが披露されたが、その中に組み立て体操は無かった。朝鮮民主主義人民共和国のアリラン祭では大型のアクロバット体操がマスゲームの一部として披露される。2基の3段四角塔の頂上を構成する2人が4段目1人を支え、その上に倒立した5段目を乗せる形式である。演技時間は組み立て開始から分解終了まで1分半ほどのごく短いものであり、演技は主としてサーカスの技法による。アリラン祭のマスゲームは規模は大きいが体操の扱いは小さい。主に組体操やマスゲーム(人文字)などは集団演舞として扱われる。アメリカ合衆国では大規模な組体操が行われなかったが、1983年1月9日ニューヨークの青年たちが五段円筒を披露した。2010年には約300名の青年による組み立て体操がフィラデルフィアで行われ、続いて80人規模の組み立て体操がニューヨークで披露された。20世紀に行われたスパルタキアーダ (東欧諸国総合体育大会) では、数千人規模の演技者による組み立て体操が披露された。2008年にプラハで久々に開催されたときには、世界最大規模の組み立て体操が披露された。 21世紀の現代においては、学校や軍隊などの強制動員力によらない自発的な組み立て体操が、創価学会インタナショナル(SGI)を初めとするNGO諸団体によって、ブラジル、マレーシア、韓国、インドネシア、フィリピン、アメリカでおこなわれている。日本の学校以外で行われる大規模組み立て体操はブラジル、インドネシア、フィリピンが盛んである。2008年に皇太子徳仁親王を臨席で開催されたSGI主催ブラジル日系移民百年祭「IMIN 100」 はその一例である ただし、演技者の大部分は非日系ブラジル人であった。2009年にはサンパウロ州の州都ではない一都市、サンマテウスの独立記念日のパレードで組み立て体操が披露された。2013年にはリオデジャネイロ州の一都市、ベウフォルドホショの独立記念日パレードで、人間歩行城壁、瞬間起立四段ピラミッド、三段円塔、カタルーニャ式六段ピラミッドが披露された。マレーシア、香港、インドネシア、ブラジルでは組体操が地域文化になりつつある。2012年以降インドネシアの組体操が大きく進展し、2013年現在では世界最大級のグループに成長した。これらの動画はYouTubeで閲覧できる。検索はポルトガル語のginástica montada、英語のgymnastic formation、日本語の(インドネシア語でもある)kumitaisoで行うのが望ましい。組み立て体操はかつては男子だけの演技種目であったが、ブラジルのサンパウロでは2008年以男子に混じり多数の女子 (約3割) が参加するようになった。女子の部分的な参加はそれ以前の1998年、2005年にリオデジャネイロでも行われた。上記のサンマテウス市の路上演技では、半数が女子であった。
※この「世界の組体操」の解説は、「組体操」の解説の一部です。
「世界の組体操」を含む「組体操」の記事については、「組体操」の概要を参照ください。
- 世界の組体操のページへのリンク