三国〜南北朝時代の陶磁とは? わかりやすく解説

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三国〜南北朝時代の陶磁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 14:05 UTC 版)

中国の陶磁器」の記事における「三国〜南北朝時代の陶磁」の解説

三国222 - 265年)、西晋東晋265 - 420年)、五胡十六国304 - 439年)、南北朝420 - 589年)の陶磁について概説する漢代発生した青磁は、この時代にも引き続き製作された。華南浙江省中心とした地域墳墓からは三国時代の呉から西晋東晋に至る時期青磁出土する。これらの青磁を、古越磁、古越州呼びならわしているが、この「古」は、後代(唐後期北宋)の越州窯青磁区別した呼称である。この時代青磁現存するものは、ほとんどが墳墓副葬され明器であり、日常用の器がどのようなものであったかは明確でない器種としては、壺、盤のような一般的なもののほか、神亭壺と呼ばれる特殊な壺、獅子、虎、羊などの動物かたどった容器鶏舎圏(豚小屋)をかたどったものなど、明器特有の器種もある。神亭壺は、壺の上楼閣形を乗せ人物動物の小像で飾り立てたもので、この時期特有の器種である。以上のような明器特有の器種は呉から西晋にかけて盛んに作られるが、東晋代にはこの種の作例減り実用的な器種増えていく。この時代特有の器種としては他に、鶏頭形の注口をもつ天鶏壺がある。天鶏壺は把手有するものと有しないものがあり、東晋以降南朝時代至って製作されている。なお、鶏頭形の注口外観だけで、内部に孔が貫通していない例が多い。壺の口縁の部分を盤(皿)形とした盤口壺もこの時期盛んに作られた。南北朝時代南朝においても青磁は焼造されているが、呉・西晋時代作られたような明器用の特異な器種姿を消し、盤、壺、瓶といった実用的な器種のものがもっぱら作られるようになった浙江省北部徳清窯など、各地の窯の個性次第明確になってくるが、その詳細解明今後の課題となっている。華南では東晋時代中心に黒釉磁も生産された。 一方、この時代華北においては6世紀初め頃までは陶磁史のうえで目立った展開は確認できず、漢の滅亡から魏、西晋経て五胡十六国時代までは取り上げるべき遺品乏しい。6世紀至り北魏では厚葬風習に伴い明器副葬品としての鉛釉陶(緑釉、褐釉)が再び登場し加彩灰陶人物動物などの俑も作られた。北魏東西分裂後東魏では黒磁、青磁作られた。短命に終わった東魏の後を継いだ北斉では初め白磁が焼造されたが、西魏その後継いだ北周では目立った作陶活動確認できない北朝青磁遺品としては、貼付文を多用した大型の瓶が典型的なものとして知られる河北省衡水市景県封子絵(ふうしかい)墓から出土した青磁蓮弁文瓶(北斉)は古くから知られるのである越州窯など華南地方製作され青磁対し耀州窯(唐〜宋)などの華北製作されたものを北方青磁称するが、上述の瓶は北方青磁登場告げモニュメンタル大作である。被葬者封子絵563年没し565年葬られていることから、この瓶の製作年代その頃位置づけられる。高さ70センチ近い大作で、脚部胴部など各所蓮弁かたどった複雑な器形をなし、器全面薄肉彫、線彫、貼花などで文様表している。釉調は黒ずんでおり、華南青磁とは異なっている。北斉代には白磁作り始められている。初期白磁焼いた窯としては河北省邢州窯(けいしゅうよう)が著名である。邢州窯の窯址河北省邢台市臨城県と同省同市内丘県で確認されており、初期には白磁より青磁多く焼いていた。白磁とは、一般には、精製され白色胎土透明釉掛けて火度焼き上げた磁器であるが、北斉代の初期白磁では、胎土の上白化粧土を掛けてから透明釉掛けている。邢州窯の白磁隋代から盛んに製作されるようになり、唐を経て五代まで存続する年代押さえられる白磁最古遺品とされるものは、北斉武平5年575年)に没した范粋の墓の出土品で、白磁の壺、碗などがある。ただし、これらの墳墓出土品を、直接邢州窯と結び付けてよいかどうかは、なお研究要する青磁蓮弁文瓶 北朝 青磁獅子燭台 西晋 青磁虎子 西晋 上海博物館 黒釉天鶏西晋 - 東晋

※この「三国〜南北朝時代の陶磁」の解説は、「中国の陶磁器」の解説の一部です。
「三国〜南北朝時代の陶磁」を含む「中国の陶磁器」の記事については、「中国の陶磁器」の概要を参照ください。

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