三井家の親族・姻戚関係
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三井家は十一の家が共同で事業を所有・運営していたため、その親族・姻戚関係は著しく広範囲である。ここでは、明治に入ってからの三井十一家の主要な親族・姻戚関係について述べる。 北家では、10代目高棟の次女(11代目高公の妹)が、五摂家の一つ・鷹司家に嫁いでいる。高公は4男1女を儲けたが、一人娘は浅野財閥の浅野八郎(総一郎の弟)の次男に嫁いでいる。三井物産に勤務していた三井之乗は高公の四男。 伊皿子家高長は北家10代目高棟の三女と結婚し2男3女を儲けた。三女(博子)の夫はトヨタ自動車元社長の豊田章一郎である。 高長の弟・高勅は泉姓を名乗って分家したが、旧出羽国久保田藩主・佐竹家の分家である佐竹東家・佐竹義準男爵の長女を娶った。義準の次女は岩崎彦弥太に嫁いでおり、佐竹家を通じて三菱と縁続きになったことになる。なお義準の長男・義利の妻は天文学者・平山信の三女である が、平山の弟子・萩原雄祐 も深井家・小坂家を通じて本村町家と姻戚関係にある ため、平山・萩原の師弟はともに三井家と姻戚関係にあるといえる。 室町家高大の父高従(高大養父で室町家11代目高精の兄)は徳大寺実則の娘を妻に迎えている。徳大寺は西園寺公望、15代目住友吉左衛門の兄である。また高従の姉(室町家10代目高保の長女)は鴻池家に嫁いだ。 南家高陽の妻・正子は五摂家・公爵一条実孝の娘 だが、実孝の義姉(実孝は養子)は伏見宮家、閑院宮家、南部氏、鍋島氏、宇和島伊達氏などに嫁いでおり、南家はもっとも名家との繋がりの深い一族となった。 本村町家高孟の父で本村町家2代目の弁蔵は5男1女を儲けたが、長女は小坂徳三郎に嫁いだ。小坂家は長野県の地方財閥で、泉家(伊皿子家分家)の項で既述のように深井家及び萩原家と姻戚関係をもつ名家である。弁蔵の弟(本村町家初代高明の次男)高親は井原姓を名乗って分家したが、その子は日本テレビのディレクター・プロデューサーとして、「光子の窓』『シャボン玉ホリデー』『巨泉・前武のゲバゲバ90分!!』『11PM』など、テレビ史に名を残すヒット番組を手がけた井原高忠である。 永坂町家高篤の父・高泰(一般に幼名の「守之助」で知られる)は、12代目住友吉左衛門友親の娘・楢光を妻に迎えている。高篤には弟と3人の妹がいたが、一番下の妹は益田孝の孫と結婚した。 小石川家では、6代目当主・高益は実の男子が夭折したことから南家5代目当主・高英の八男・高喜を養嗣子として迎えた。高益の四女で高喜の義妹がNHK連続テレビ小説『あさが来た』の主人公のモデルとなった広岡浅子である。同じく小石川家の10代目当主・三井高進は日本リーダーズ・ダイジェスト社の漫画誌「ディズニーの国」編集長を務め、当時部下だった今江祥智に、三井家をモデルとする『大きな魚の食べっぷり』執筆のインスピレーションを与えた。高進は参議院議員植竹春彦の娘と結婚したが、のち離婚した。 松坂家の三井高周は三井石油開発監査役。妻は愛媛大学長の娘で、義兄は大阪大学総長。高周の娘・三井史子は聖心女子大学英文科在学中に浩宮の妃候補として名が上がったが、弘世現の孫の弘世晃嗣郎(ニッセイアセットマネジメント専務取締役)に嫁ぎ、二男一女をもうけた。親戚に皇族の三笠宮家、久邇家、茶道の千家、パナソニックの松下家、サントリーの鳥井家、松方家など。
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