ワトキンスと『古い直線路』とは? わかりやすく解説

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ワトキンスと『古い直線路』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 04:41 UTC 版)

レイライン」の記事における「ワトキンスと『古い直線路』」の解説

レイという概念1921年6月30日、アルフレッド・ワトキンスによって提案された。ワトキンスイギリス中部ヘレフォードシャー州にあるブレッドウォーディン(en:Bredwardineを訪れ近くにある丘陵連なる地へと車で出かけた。そのとき、丘の頂上をつなぐ小道同士一直線つながっているように見えることに気付き地図確かめ、それらの場所が一直線連なっていることを確認した。彼は後に息子にこの体験を「あらゆるものが瞬くように私の中へ入り込んだ」と語った。これを聞いた人の中には彼の感じた瞬き」というのはいわゆる神秘的な体験なのだろうと言ったものもいた[要出典]。 しかし、ワトキンスより以前1870年9月にウィリアム・ヘンリー・ブラック(William Henry Black)がヘレフォードにあるイギリス考古学協会に「Boundaries and Landmarks(大地引かれ境界名所旧跡)」という説を主張していた。その中で、彼は「名所旧跡は、西ヨーロッパ全域巨大な地理的な線を描くような位置存在している」という仮説立てたワトキンス上記のように感じたのは、彼がこの仮説読み、それを頭の片隅においていたからかしれない古代イギリスがもっと深い森覆われていた頃、はこの直線状の道が織り成すネットワークによってつながっており、小高い丘は案内板役目果たしていたのではないか、とワトキンス考えた目印となる立石や塚、人造池などは古代ブリトンの手によって作られたもので、ワトキンスはこれらの繋がりレイ妖精の鎖)と名付け綿密に調査すれば太古の風景蘇らせる事が可能になる考えた。この考察1921年9月ヘレフォードのウールホープクラブ(Woolhope Clubヘレフォードシャー州郷土史考古学などへの支援団体)で公に発表された。ワトキンス功績は後に1882年発行の同クラブ会誌"G.H.Piper's" に取り上げられその中で次のように書かれた。 アスガリッド・ヴァウル山から北のアーサー石までひいた線は、ハタロルの丘、オールドキャッスル、ロングタウン城、ユリシェイ城跡、スノッドヒル城を通る。これらの線を考え出した想像される古代測量士たちはドッドマン dodman(カタツムリの男)と呼ばれた。 しかし、その後の研究ドッドという言葉は道造りではなく畝を真っ直ぐする行為意味することが分かり、ドッドマンに関する仮説誤りである事が分かったワトキンス自身考察を『Early British Trackways(古代英国軌道路)』と『The Old Straight Track(古い直線路)』という本に著した。しかし、考古学学会からは懐疑的な目で見られ一般にはあまり受け入れられなかった。考古学者O.G.S.カウフォード(en:O. G. S. Crawford)は学術誌Antiquity』にこの本の宣伝掲載することを拒み、これが一般学者受け入れられない事態助長した。学閥から否定された後もワトキンス独自の研究会を組織し地図研究情報交換続けたが、その研究ライン直線になっていないなど、重大な事実誤認含まれている。 2004年ジョン・ブルーノ・エア (John Bruno Hare)は次のように記している。 「ワトキンスレイライン超自然的なものの関わりがあると主張したことはなかった。彼はレイラインが単に交易記念碑的な意味合い作られたものだと思っていたし、大変な昔まで遡ることができ、もしかすれば新石器時代少なくともローマ時代以前に既に存在していたと考えていただけだ。彼のレイライン対すこだわり風景写真への興味や、イギリス片田舎愛していた心から自然に芽生えたものだ。古代英知に対して努めて論理的であろうとしたし、今日レイライン説晒されている風当たりには少々残念な思いでいるのではないだろうか。」 レイライン説対す批判的な見方が強い一方で専門家中にはワトキンスと同じ考えを持つものもいる。巨石文化研究者であるアレクサンダー・トム(en:Alexander Thom)は、複数巨石配置直線的かどうか詳細に検討することで、その巨石群誰が作り上げたかを推し量ることが出来るのではないか提案している。しかし、トム巨石群直線的配置対しレイラインという用語を使うことは避けている。西欧人が南ペルー発見した砂で描かれナスカの地上絵が、巨石群のなす桁外れに長い直線に関する研究助けとなっている。

※この「ワトキンスと『古い直線路』」の解説は、「レイライン」の解説の一部です。
「ワトキンスと『古い直線路』」を含む「レイライン」の記事については、「レイライン」の概要を参照ください。

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