ローライ35シリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/01 15:01 UTC 版)
24×36mm(ライカ)判でありながらホットシューをカメラ底側に付け、巻き戻しをライカM5様に下から行ない、レンズを沈胴式にする等ぎりぎりの小型化により当時流行していた24×18mm(ハーフ)判カメラよりも小さなボディサイズを実現した。カール・ツァイスのレンズ、デッケルのコンパーシャッター、ゴッセンの露出計と当時の超一流品をその小さなボディーに詰め込み、写りは非常に良い。アタッチメントはテッサー/クセナー/トリオターモデルがφ24mmねじ込み、ゾナーモデルがφ30.5mmねじ込み。セレン光電池式のB35、露出計を装備しないC35を除き露出計用の電池を必要とする。ピント合わせは目測で、最短撮影距離0.9m。 ローライ35(Rollei 35 、1966年フォトキナで発表、1967年発売) - 設計はハインツ・ヴァースケ。ボディ前面にダイヤルを配したデザイン等を特徴とする。連動露出計はCdS式。初期型はドイツ製、その後シンガポール製となり、ドイツ製に人気がある。3群4枚テッサー40mm3.5が装着されたが一部に3群4枚クセナー40mmF3.5付きが存在する。新品当時の価格は¥69,000と高価であり、アサヒカメラのニューフェース診断室に「この種の性能を持つ国産カメラの価格を比べるといかにも割高であり、たしかにひとつは持っていてよいカメラではあるが、そういう希望をかなえられる人が果たして何人いるだろうか。」というため息にも似たコメントがある。ローライ35ゴールド(Rollei 35 Gold 、1970年発売) - 創業50周年を記念して製造されたローライ35のゴールド仕上げ版。製造台数は発表されていないが一説によると1500台。 ローライB35(Rollei B35 、1969年発売) - 3群3枚トリオター40mmF3.5付きの普及版。スローシャッターを装備しない。セレン光電池式露出計は連動でなく読み取り式。35Bと表記されているものもある。設計はハインツ・ヴァースケ。 ローライC35(Rollei C35 、1969年発売) - ローライB35からスローシャッター、露出計を省略したモデル。壊れるところが少ないため現在では逆に人気がある。 ローライ35S(Rollei 35S 、1974年発売) - 4群5枚ゾナー40mmF2.8付きの高級版。被写界深度が浅いがローライ35同様距離計はないので、ピントに注意が必要である。設計はハインツ・ヴァースケだが、本人は自分の仕事だとは認めたがらなかったという。ローライ35Sシルバー(Rollei 35S Silver 、1979年発売) - ローライ35Sが多数販売されたことを記念してコレクター向けに製造されたシルバー仕上げ版。革も銀色になっている。 ローライ35Sゴールド(Rollei 35S Gold 、1980年発売) - 創業60周年を記念して製造されたローライ35Sのゴールド仕上げ版。 ローライ35プラチナ(Rollei 35 Platin 、1986年発売) - ローライ35Sのプラチナ仕上げ版。444台限定。革は薄茶色のトカゲ革。格納箱と証明書がついていた。ゾナー付きなので本来機種名はローライ35Sプラチナとなるべきであるが機種名にSの文字はない。 ローライ35T(Rollei 35T 、1976年発売) - ゾナー付きのローライ35Sが出てからは従来のテッサー付きはこの名称となった。 ローライ35LED(Rollei 35LED 、1978年発売) - トリオター40mmF3.5付きの普及版。スローシャッターを装備しない。SPD式露出計を装備する。 ローライ35SE(Rollei 35SE 、1980年4月発売) - ローライ35Sの露出表示を指針式からファインダー内LED式に改めたもの。 ローライ35TE(Rollei 35TE 、1980年4月発売) - ローライ35SEと同様に、ローライ35Tの露出表示を指針式からファインダー内LED式に改めたもの。 ローライ35クラシック(Rollei 35 Classic 、1991年発売、2010年限定版ビンテージ・バージョンで復活) - ローライ35Sの復刻版。ただしホットシューはカメラの上側に移されている。ローライ35ロイヤル(Rollei 35 Royal 、1996年発売) - 一部金仕上げをし木製ケースに入った限定版。
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