ポール・ファーバーとワトキンス親子説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 01:31 UTC 版)
「Qアノン」の記事における「ポール・ファーバーとワトキンス親子説」の解説
詳細は「ジム・ワトキンス」および「ロン・ワトキンス」を参照 「Q」のトリップコードは8chanのサーバーによって一意に検証されるものであり、他の画像掲示板では再現できないため、2019年に発生したエルパソ銃乱射事件に関連して8chanが閉鎖された後、「Q」は投稿を行えなかった。このことは、8chanの管理人であるジム・ワトキンス、および彼の息子で元8chan管理人のロン・ワトキンスが、「Q」の正体を確実に知れる数少ない人物であることを意味している。8chanの創設者であるフレドリック・ブレンナンは、「『Q』はジムかロンのことを知っているか、あるいは雇われた」と発言している。その後、「『Q』本人でなくても、『Q』が誰であるかはいつでもわかる」と述べている。また、「彼は世界で唯一、『Q』とプライベートに接触できる人物なんだ」とも語っている。 2020年9月、ブレンナンは、「Q」のアカウントは当初、別の人物によって管理されており、2017年末から2018年初頭にかけて、ジムとロンが引き継いだと推測した。彼の説によると、最初期にQアノンを拡散した、4chanモデレーターの一人である南アフリカのソフトウェア開発者、ポール・ファーバーが最初の「Q」であり、ロンが8chanの管理人権限を利用してファーバーからアカウントを奪ったという。しかし、ファーバー、ジム、ロンの三者ともに「Q」であることを否定しており、正体も知らないと述べている。 ドキュメンタリー映画監督のカレン・ホーバックは、ワトキンス親子とブレンナンに3年間密着し、Qアノンの起源と8chanの関連性を調査した。その調査を元に制作されたHBOのドキュメンタリー番組『Q: イントゥ・ザ・ストーム』の最終回で、ホーバックは、ロンとの最後の会話を紹介している。ロンは、カメラに向かって次のように述べている。 私はこの約10年間、毎日、匿名でこのような調査を行ってきました。現在では公にしていますが、それが唯一の違いです。基本的には3年間の諜報活動の訓練で、一般人に諜報活動のやり方を教えていました。基本的には、私が以前匿名でやっていたことなのですが、「Q」として行っていた訳ではありません。(そう言うと彼は笑い、次のように続けた)「Q」として行っていた訳ではありません。本当です。なぜなら、私は「Q」ではないし、「Q」であったこともないからです。 ホーバックは、これをロンの不用意な告白とみなし、このインタビューとその他の調査から、「ロン・ワトキンスが『Q』である」と結論づけた。ロンは、シリーズ初放送の少し前に、Qであることを再び否定した。 2022年2月19日、ニューヨーク・タイムズ紙は、法言語学的解析によって「Q」の正体が特定された可能性があると報じた。報道によれば、スイスとフランスのチームが機械学習を用いた自然言語処理によって「Q」の文体を、それぞれ独自の手法で解析したという。たとえばスイスのOrphAnalyticsは「Q」と疑われている6人の文章を特殊なソフトウェアに読み込ませた。一方でフランス国立古文書学校のチームは、10万語以上におよぶ「Q」の投稿パターンを人工知能に学ばせた上で「Q」と疑われている13人、計1万2千語以上と比較した。その結果、両チームはポール・ファーバーとロン・ワトキンスが「Q」であると結論づけた。分析結果の正確性は92%以上だとしている。 ちなみにファーバーは、8chanにあった/cbts/(Calm Before the Storm、嵐の前の静けさ)という掲示板も運営していた。スイスのチームは「当初はファーバーのみ。その後はファーバーとロンの両方。その後はロンだけと文章が似ている」と指摘した。それぞれの期間は、4chanの/pol/(Politically Incorrect、非ポリコレ板)に「Q」が初めて現れた後、8chanの/cbts/に移行し、さらに8chanの/thestorm/という別の掲示板に「Q」が移行した時期と重なっている。「Q」の不自然な移行についてファーバーは「ロンとジムが、自分たちにとって都合の良いようにQを利用するために、Qを乗っ取った」と推測しており、ブレンナンも「(技術的な面から)Qを乗っ取ることができたとしたら、彼しかいない」「Qは誰か、確信している。ロンだ。Qの力を盗みたかったんだろう」と語っている。なお、ファーバーは「Q」との文章の関連性について「Qの投稿は、私の文章の書き方を変えるほどに大きな影響を与えるものでした」とした上で、「私はQではありません」と否定した。
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